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2010年12月15日 (水)

東アジアの「歴史と反復」

「現在の東アジアの情勢は、日清戦争の直前の状況に近い」というのは柄谷行人。「中央公論」1月号掲載の、佐藤優との対談「国境を越える革命と宗教」からメモ。

柄谷:現在の東アジアの情勢は、日清戦争の直前の状況に近いと改めて感じています。現在の朝鮮半島の南北対立と同じく、日清戦争の直前に朝鮮内部には対立があって、それが戦争の直接の原因となっています。一方を清朝が支援し、他方を日本が支援するというかたちで、日清戦争が起こった。その結果、台湾が日本に譲渡された。いまの東アジアの地政学的構造は、この時期に始まっています。だから、現在を考えるとき、120年前を想起したほうがよいと思うのです。現在、中国は清朝のような帝国になっているし、北朝鮮は李朝みたいになっている。

佐藤:柄谷さんの120年周期説は非常によくわかります。ところが、これを勘違いすると、みんなが柄谷神学かなと思いだす。そうすると、「どうも柄谷も年のせいかな、最近相当いかれてきたな」と、ポストモダン系の人たちは見かねない。

柄谷:僕はこの先に世界戦争がありうると思っているのです。過去には、日清戦争から20年後に第一次世界大戦があった。

佐藤:戦争は起きますよ。

柄谷:いざ戦争が起こると、人々はそれに呑み込まれます。そのようなことを避けるためには、歴史を知っていないといけない。

佐藤:それはまったく賛成です。ですから、いま日本は品格のある帝国主義国になったほうがいいと思う。品格のある帝国主義国というのは戦争をしないというのが、私の理屈です。いいんです、言葉はどのようなものであっても。実践的な結論が柄谷さんと同じならば。

・・・両者の発言は、面白いといえば面白いけど、分かるような分からないような話でもある。まあ自分も若い頃にポストモダンの言説に高揚感を覚えていた向きではあるが、最近の柄谷行人の方向性はよく分からない。「資本とネーションとステートを超えて世界共和国へ」とか言われても、「はあ?」って感じ。年のせいよりも、勉強のしすぎで「いかれてきた」のかいな。

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