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2010年11月29日 (月)

政策の期待値を高めよ

日本経済「余命3年」』(PHP研究所)は、竹中平蔵、池田信夫、鈴木亘、土居丈郎の共同討議の書。第1章(「国家破綻」に至るシナリオ)から竹中発言をメモ。

(日本の財政運営が)持続可能かどうかを判断するうえで、いちばん大事なのは市場のエクスペクテーション(期待値)です。これは事態を管理する能力が、政府と社会にどれだけあるかに対する期待です。
「プライマリーバランスは回復する」という期待が多くの人びとに共有される状況になれば、国債発行残高が多くても、それほど混乱は起こりません。逆に国債発行残高が少なくても、管理能力がまったくないと判断されれば、市場は混乱します。要は、期待値がどれぐらい大きいかに尽きるのです。

破綻とは、単純化していえば、次のようなことです。国債が暴落し、それに伴い金利が高騰し、金利が高騰することで株価が下がる。そうなると日本経済のファンダメンタルズ全体に対する信頼が揺らぎ、通貨が売られる。つまり円、株、国債がすべて下がる、トリプル安になるのです。
トリプル安、とくに円が下がると、インフレが起こります。為替の下落と同時に起こるインフレは資源の輸入国である日本にとって怖いものがあります。インフレに伴って経済が停滞し、さらに高金利になるという最悪のシナリオになるのです。これを防ぐには、国債が暴落しないよう市場の期待値を保つことが、最初の段階では非常に重要です。

私は政策というのは、リスクを回避しながらやるべきだと思います。日本は基本的に市場のエクスペクテーション(期待値)に依存している一方、金利上昇が起こるリスクを抱えています。そのリスクがあまり大きくならないうちの問題解決が必要で、その意味では2013年を一つのポイントにする必要があります。
民間部分のネットの資産が約1000兆円あり、2012年から13年ぐらいには、これに国債の発行残高が追いついてしまう。もう一つ、2015年には広義の団塊世代が全員、年金受給年齢に入ります。彼らの社会保障費が、やはり2013年頃からいっきに増えはじめる可能性が高い。2013年度までに、市場のエクスペクテーションを向上させる筋道を示し、それに納得している状況をつくらなければならない。
よく日本経済は「全治3年」などという人がいますが、私は「余命3年」と考えたほうがいいと思います。2012年、13年までが最後のチャンスで、それを超えていまのような状況が続くと、本当に何が起こるかわかりません。

・・・市場のエクスペクテーションを高めることに失敗した時、「だめだこりゃ」ということで債券、株、円のトリプル安、全面的な「日本売り」が現実のものとなる。現状のような政策の停滞が続けば、そうなる確率は結構高いような気がする。

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