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2010年11月24日 (水)

資本と国民(国家)の分離

昨日勤労感謝の日の午前中、NHKで「雇用危機」と題して、解説委員たちによる討議番組が放送されたのに続き、今日のNHK「クローズアップ現代」では、「新・就職氷河期」とも言われる状況(大学生の内定率が6割を切る)を伝えていた。企業の求める人材の能力が高いため、学生は内定を取ることが非常に難しくなり、就職活動も長期化しているという。

昨日の番組の中で示されたアンケート調査では、「雇用危機」の原因について「グローバル経済」を挙げる人が「不況」を挙げる人よりも多かった。つまり、構造的な要因が大きいという認識が強まりつつあるようだ。

新刊の『超マクロ展望 世界経済の真実』(水野和夫、萱野稔人・著、集英社新書)からメモしてみる。

水野:資本の動きを一国で支えるにはあまりにそのスケールがでかくなってしまった。
萱野:いわゆる国民国家の枠組みでは、もはや世界資本主義を担うような主体にはなれなくなった。
水野:それが最終的には資本と国民国家の分離ということになる。利子率革命という点からみても同じことがいえます。利子率革命とは、低成長の時代になって資本が高い利潤を求めて海外にいくことを意味します。それによって日本でも工場の海外移転がすすみ、それこそ労働市場を国内的に維持することができなくなる。国民経済が資本によって支えられなくなってしまうんですね。つまり、国民国家は資本に裏切られたかたちになってしまうのです。
萱野:資本と国民の分離ということで深刻なのは、先進国の中産階級です。現代のように生産拠点がどんどん先進国から新興国に移り、先進国の資本がますます新興国の生産現場とむすびつくようになると、先進国の国民に仕事やお金がまわってこなくなってしまう。図式的には、先進国の資本は先進国の国民を見捨てることになるわけですね。先進国の労働者は新興国の労働者との国際競争に敗れて没落してしまう。

・・・「雇用、雇用、雇用」と菅総理は叫んでいたけれど、結局雇用を作り出すのは産業資本なのだから、まずは国内外の資本をいかに日本国に留めておくか引きつけるか、そのことを考えて実行するべきじゃないのかね。

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