« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月27日 (月)

ETV特集「白熱教室@東大」

今巷で話題(らしい)の「白熱教室」。自分が何かで目にしたサンデル教授の問いかけが、暴走列車の話。あなたは暴走列車の運転手で、このまま真っ直ぐ行けば作業員を5人死なせてしまうが、引き込み線に入ることができれば犠牲者は一人で済む、さあどうする・・・。まあ何と言うのか、中学生が好みそうな話だな、と最初に思ってしまったのが良くなかった。しかしとりあえずどんなもんか見てみないと、先入観だけでは余り文句も言えないしな、ということで、昨夜10時からのNHK教育テレビ番組、ETV特集「ハーバード白熱教室@東京大学」、1時間半眺めていた。

講義の前半のテーマは「イチローの年俸は高すぎるか」。後半はシリアスな問題である「戦争責任」について。サンデル教授は最初に正義の3つの概念を提示する。最大多数の最大幸福(ベンサムの功利主義)、人間の尊厳に価値を置く(カント)、美徳と共通善を育む(アリストテレス)、だ。そして議題を語り、意見を求め、彼らの意見と立場を確認しながら、議論を展開し進めていく。このような授業を行う教授の狙いは、身近な問題の中で正義や道徳を考えることにあるらしい。

とはいえ、講義の中で取り上げられた2つのテーマが、道徳的に考えることになじむ問題かというと違和感が残った。こんなこと道徳的に考えてもしょうがないけどな、って感じ。イチローの年俸が1800万ドルでも球団経営が成り立つならば別に問題ないし。戦争責任、世代を超えた道徳的責任の問題にしても、政府間レベルでは相手のこともあるので、簡単に忘れるわけにはいかないのだろうが、民間人レベルでは時間の経過と共に責任問題も意味が無くなっていくとしか思えない。

オバマ大統領は原爆投下を謝罪するべきか、という問いかけがあった。自分は、謝罪してもらいたいとは思う。でも、謝罪するべきだ、とまでは言えない。

大きな議題のほかにも、いろいろ細かい話題もあった。例えば犯罪者となった肉親の居場所を捜査当局に教えるべきかという話。これは「家族に対する忠誠心」の問題とされていたが、これも何と言うのか現実の家族関係もいろいろあるしな、と思ったりする。

正義や道徳の話は、つまるところ「べき」論に落とし込まれていくように見える。だとしたら、退屈である。

サンデル教授は、公共的生活における道徳的議論の重要性を強調する。我々はなぜ議論するのか。道徳や共通善、正義について、偉大な哲学者たちにも結論は出せなかった。哲学は不可能に見える。しかし決して避けられないものなのだ。我々は毎日哲学者たちの問いを生きているのだ、と。

確かに、問い続けることは大切だ。しかし日常生活の中で、物事を道徳的な見地から問い続けることの優先順位は、それほど高いとは思えない。とりあえず自分にとっては、「政治哲学」よりも「経済思想」の方がまだしも切実感は強いね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月25日 (土)

「30代ひずみ世代」の苦闘

30代、就職氷河期世代の今を取り上げたNHK「特報首都圏」、本日午前中の再放送を見た。このところNHKの首都圏ローカルは朝のニュース、夕方のニュースでこの「30代ひずみ世代」をシリーズで取り上げていたとのこと。番組ホームページには、この2週間で放送された映像が見れるようになっていたので、いくつか視聴。その中で9月14日放送の「“氷河期で損した”30代の現実」で取材されていた39歳、大学院卒、現在無職の男性が、「就職活動の時期を選べるとしたら」との問いかけに対して、「10年早く生まれて1980年代あたりを過ごしたかった。就職とか生きる道を見出すにはいい時代だったのかなあという気がします」と答えていたのは、自分の心にちょっと響くものがあった。

というのは、自分がその80年代を20代で過ごした人間だから。当時の感覚としては特に「いい時代」だったとも言えないのだが、就職に限っていえば結果的にはバブルに助けられたな、というのは実感している。それはもろに80年代後半のバブル期に就職した人間はもちろん、自分のように80年代前半に就職も進学もしないまま大学を卒業して「無業者」となり、2年近くプータローした後に社員10名程度の出版社に迷い込んだ人間でも、バブル期に2回勤め先を変えて、畑違いの証券会社の社員になることができたくらいだから。何しろ当時は人手不足で転職ブーム、就職情報誌のCMでは「職業選択の自由~」なんて謳われたりして、まあ今では考えられない時代だった。

「特報首都圏」には、城繁幸氏が出ていて、個人の側もキャリアデザインの計画を早目に立てて対応することと、終身雇用の維持はもはや不可能であると認識して年功序列カルチャーを打破することを説いていた。

キャリアデザイン・・・ねえ。あれがやりたい、これがやりたいと思っても、逆に何をしたらいいのか分からなくても、何ができるのかできないのかは、やってみないと分からない。まったく、人間、やってみないと分からないことだらけだよ。だからこそ、若者には多くのチャンスが与えられなければならない。つまり、今の世の中はこれじゃいかんのだが、具体的にはどうしたらいいのか分からん。(我ながらいつものことだが・・・)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月23日 (木)

映画「BECK」

マンガが原作、ということ以外は予備知識なしで映画「BECK」を観た。簡単に言うと、アマチュアロックバンドが、ロック・フェスティバルに出るまでの話。今年の春にやはりマンガが原作の映画「ソラニン」を観たわけだが、桐谷健太という役者さんが両方の作品に出ている。「ソラニン」ではドラム、「BECK」ではボーカルで、何でもできるんだな~って感じ。「BECK」のバンド演奏シーンでは桐谷はじめ、水嶋ヒロ(ギター)、佐藤健(ギター&ボーカル)、向井理(ベース)、中村蒼(ドラム)、いずれもサマになっていて、大したもんだな~って思った。

しかしながら、佐藤演じるコユキは素晴らしい歌声を持つという設定なのに、彼が歌う場面では、その歌声は映画の観客には聞こえてこないという演出がなされている。「物語の肝であるコユキの歌声は出さないでほしい」と、原作者のハロルド作石から提案されたとのことだが、しかしねえ、映画的には何となくもどかしい演出だし、これだとあんまり「物語の肝」という感じはしないぞ。大体上映時間144分は長すぎる。水嶋演じる竜介のギターに絡む話とかはカットして、映画的にはもっと単純な話にしてもらった方が良かったかなあと思う。

まあそれはそれとして、「男のコっていいよな」と思わせてくれる映画だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月18日 (土)

DVD「ラスト・イン・ピース・ライヴ」

メガデスのDVD「ラスト・イン・ピース・ライヴ」の日本盤発売が10月27日だと知った時、ずいぶん先だなと感じたというか、やっぱ「鉄は熱いうちに打て」、じゃなくて「メタルは暑いうちに聞け」(分かるような分からんような)って思ったので、とりあえず輸入盤をアマゾンで購入。1,554円と安い。円高メリットってやつですか。

内容は今年3月ハリウッドで行われた演奏。デイブ・ムステインが「here we go!」と告げて、ホリーウォーズからスタートする「ラスト・イン・ピース」アルバム再現パート(46分)をメインに、ライヴ定番のメガデス・クラシックス6曲(26分)やリハーサルの模様など。

個人的にはインマイダーケストアワーが好きで。この曲のイントロが奏でられると「出たっ!」って感じがする。

自分がメガデスのファンになったのは最近なので、20年前の名盤の再現にも特に感慨というものはない。もともと、ブリティッシュ・ハードロック&プログレッシブロックが音楽の最上位という感じで育ったので、アメリカのバンドは全く趣味じゃなくて唯一、ブルー・オイスター・カルトだけが好きだったけど、今はそこにメガデスも加わっている次第。

ギターを弾きまくりながら痛みをこらえているような表情で歌い続けるムステイン。その向かって左手にはバンドに復帰したデイヴィッド・エレフソン。やはりメガデスのベーシストとして座りがいいのはこの人ということか。興奮しっぱなしの観客がデジカメやらケータイやらでステージの写真撮りまくりなのはそれ良いのか、ってもしょうがないけど。

いずれ例のスラッシュ・メタル四天王のライヴDVDも出る。まあメガデス以外のバンドは好きにはなれないが、とりあえず買ってみるつもり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月15日 (水)

NHK「ウルトラマンと沖縄」

今日の夜10時からのNHK「歴史秘話ヒストリア」は、「ウルトラマン」の脚本家・金城哲夫を取り上げていた。ウルトラマンの話を歴史番組でやるのか~自分の生きた時が歴史になりつつあるな~って感じで観た。

金城哲夫(1938~1976)
25歳の時に円谷プロに入り、30歳で辞めるまでの5年余りの間に、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンの脚本を手がける。疾風怒濤の時代を駆け抜けて、円谷プロを去った後は、故郷である沖縄に戻り活動。1975年沖縄海洋博の式典演出を担当。翌76年2月海洋博閉幕の直後、自宅階段で転落、37歳で急逝した。

番組がウルトラシリーズの中で主に取り上げていたのはウルトラセブン。この頃はベトナム戦争の真っ最中。金城は本当の侵略者は誰かということに思い悩み、「ノンマルトの使者」では人類を侵略者として描く。ウルトラセブンの内容は深刻な話が多くなり、視聴率はウルトラマンに及ばなかった。

・・・確かにねえ、当時小学3年生の自分には、ウルトラセブンは何だか難しかった。後半は余り見てなかったような気がする。

ウルトラQは特撮ジャンルを超えて、日本のテレビ映画の金字塔だろう。もちろん今では技術的にちゃっちく見える部分もあるけど、とにかく一つの「世界」を作り出しているのは驚異的。これはDVD持ってるよ。

ウルトラマンは、これは怪獣でしょう。成田亨デザイン、高山良策造形のね。

円谷英二、実相寺昭雄、金城哲夫、成田亨、高山良策・・・天才たちが寄ってたかって作り上げたウルトラシリーズ。それを見て育ったぼくたち。ニッポンの子どもで良かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月13日 (月)

池上彰、情報番組を席巻

今週の「アエラ」(9/20号)の記事「そうだったのか!池上彰人気」からメモする。

(7月11日の参院選のテレビ東京特番を担当した)袴田健プロデューサーは池上人気の理由をこう分析する。①徹底的なわかりやすさ。②情報・知識の豊富さ。③聞く姿勢を持っていること。④柔和でありながら、ズバッと核心をつく質問。袴田プロデューサーは言う。「実は大人だって基本的な情報をあまり知らないから、誰かにわかりやすく説明してほしかった。池上さんはこの思いをきちっと捉えていて、徹底的な視聴者目線になれる。簡単なようでなかなかできることではありません」

池上さんが伝える極意を掴んだのは、NHKで11年間担当した「週刊こどもニュース」時代だ。池上さんがお父さん役、女性タレントがお母さん役、子ども3人が一つの擬似家族となって、お父さんが子どもたちに1週間のニュースをわかりやすく解説するという番組だ。

池上さんは、自らの“伝える力”の原点は、「週刊こどもニュース」で学んだ「暗黙知のギャップ」の認識だと、講演で語った。池上さんは、人がそれぞれの環境の中で自然に身につけた知識を「暗黙知」と呼ぶ。「暗黙知は人によって違うことを意識することが大事。そのギャップを埋めるためにどう説明するかを考えると、自然とわかりやすい話し方が身につきます」

・・・自分も5年前、NHKを辞めた池上さんがテレビから消えるのは惜しいと記した(ブログ内過去記事)が、その後見事にテレビの世界に戻ってきて、わかりやすいニュース解説でゴールデンタイムを席捲しているのを見ると、さすがだなあと感じるばかりである。でも、やっぱり「こどもニュース」のお父さんの頃が良かったかなと、ちょっと思ったりしてるけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月 9日 (木)

将棋王座戦大盤解説会2010

今日の夕方6時からの将棋王座戦(日経新聞主催)第1局の大盤解説会をのぞいてみた。場所は大手町・日経本社ビル2階。

将棋タイトル戦の大盤解説会に行ったことがあるという覚えは実はあまりない。概ね現地のほかは千駄ヶ谷の将棋会館というパターンなので、自分の住んでる所からは遠いと感じるのだが、今回は勤務先から近い場所なので行ってみた、という感じ。

新しい日経本社ビルに初めて足を踏み入れて、長いエスカレーターで2階に上り会場の「SPACE NIO」に入ると、既に200人以上?の人で満員状態。将棋ってこんなに人気あるのか、へぇ~って感じ。解説は渡辺明竜王。

戦型は先手・羽生善治王座の居飛車、後手・藤井猛九段の振飛車。藤井九段は角道を開けたまま四間飛車に構え、さらに後手から角交換、そして3四歩を3五に伸ばすという、私のようなオールド将棋ファンから見ると奇想天外、誠に破天荒な作戦。急戦調の展開から、夕食休憩時には既に終盤の入り口といった激しい戦いになっていた。

P1040001_2

昔は大盤解説というと、本当に大きな将棋盤と駒で解説していたが、今どきはデジタル画面でスイスイと指し手を進めていく。6時から始まった解説は30分程で一区切り付いて、「次の一手」予想の投票と休憩に入ったところで、立ち見の私は早々に退散した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月 4日 (土)

竹中平蔵講演会(IRフェア)

P1030900

「日経IRフェア2010」(於:東京ビッグサイト)の竹中平蔵講演会に出かけた。会場に着いてみると、ざっと7、800くらい?席が用意されていた感じで、さらに立ち見客も多数入るという盛況なのだった。竹中氏は講演の中で、マスコミはほめる時は「小泉流」、けなす時は「小泉・竹中流」を使う、と自虐的に語ったりして、まあマスコミの一部では「悪者」扱いなのかも知れないけど、それでもこんなに人を集められるのだから大したもんだな。50分の講演内容のごく一部を以下にメモしてみる。

今の政府の問題点は、経済を語れないこと。民主党の政策は部分的には良いところがある。しかし全体の経済の姿を誰も語れない。

経済政策として短期的には円高対策が必要だ。円高の最大の原因はデフレだ。デフレにより実質金利が高いから円高になる。デフレの解消が円高対策である。それにはまず腹を決めて10兆円規模の補正予算を組む。それから日銀法改正。物価目標を決めて達成させる。

中期的には法人税の大幅引き下げ。「子ども手当」を止めて、その分を減税の財源としても良いだろう。そして規制緩和。「事業仕分け」のように、規制仕分けをしてもらいたい。

このままいけば日本は低福祉重税国家になる。それは避けなければならない。財政を良くするためには経済を良くしなければならない。

日本経済を強くする、活性化するのは難しくない。バックトゥベーシック、経済の論理に従って経済政策を行う。極めて常識的な政策を普通にやる。やるべきことを当たり前にやれば良いのだ。

・・・次のリーダーになる菅・小沢の政策に見るべきものはないというのが竹中氏の評価。それでも竹中氏は、鳩山政権当時にも言ってたミッテランの政策大転換を持ち出して、菅・小沢にもチャンスはある、新しい連立をテコにして政策を変えれば良い、というようなことを言ってた。さて現実の展開はどうなることやら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »