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2010年6月21日 (月)

格付け会社と投資銀行の罪

「金融危機の最大の戦犯は格付け会社です」と断言するのは、経済小説の書き手である黒木亮。新作「トリプルA」を世に問う作家の言葉を、今週の「日経ヴェリタス」(6/20号)インタビュー記事からメモする。

「間違ったプログラムに間違ったデータを入れて、ストラクチャード・ファイナンスに実態よりも高い格付けを与えた。格付けに頼るしかない投資家が、格付けを信頼して損失を被りました」
「格付け会社は中立性や独立性を確保するために、さまざまな仕組みをつくり努力している。それはよく分かるのですが、2000年以降のCDO(債務担保証券)バブルで、格付けの案件を多くとろうとする営業に引っ張られて、中立性を確保する努力がないがしろにされたのです」

「投資銀行もパニックを引き起こした原因の一つだと思います。2000年くらいを境にして、投資銀行は一段と収益拡大に傾斜していきました。1990年代後半のヘッジファンドの台頭をみて、投資銀行も自己勘定取引に盛んに取り組み始めた。投資銀行の経営陣は自社の収益を拡大することで、ヘッジファンド並みの巨額の報酬を手に入れようとしたのです」
「投資銀行でレバレッジ(自己資本に対する負債の倍率)が高すぎるのは問題です。レバレッジをかけると、損失が増幅され危険です。金融規制の強化には賛成です」

・・・「100年に一度」とか「21世紀型」などと形容された今回の金融危機も、時間が経ってみれば、証券化や金融工学など意匠は新しくても、結局根っこにあるのは「収益至上主義」という酷く古典的な図式が見出されるのであり、例えばそれを「リスクテイクバブル」と言い換えてみても、根本的に何か新しい事態が現れたという訳ではないようだ。資本主義的人間を自由というか野放しにしておけば、結局は儲け主義に走るのならば、性悪説に立った規制強化も止む無しというところか。

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