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2010年5月25日 (火)

「今回は違う」

経済危機の直接の原因は、市場にかかわる人々が繰り返す誤算だ――本日付日経新聞コラム記事「一目均衡」(「今回は違う」というワナ)からメモ。

誤算の背景には、人間の心理的な危うさがある。「4つの単語でできた言葉のなかで、もっとも高い代償を強いられるのはThis time is different(今回は違う)だ」。2年前に死去した米大物投資家、ジョン・テンプルトンの言葉。人々は今、希望的な思い込みのツケを払っている。
住宅ブームの時は「今回はバブルとは違う」と安心し、崩壊しても「今回は1990年代の日本とは違う」と楽観して、当局も投資家も痛手を被った。

昨年、「今回は違う」というタイトルで研究を出版した国際通貨基金(IMF)の元調査局長、ケネス・ロゴフ氏は警告する。「世界経済の最大の弱点は中国だ」。不動産バブルの懸念はすでに取りざたされている。しかし、不安なのはそれを打ち消す楽観論の方だ。
指導体制が強力なので金融危機も、景気の浮き沈みさえも抑えられる。労働力は豊富で倫理観もある――「耳に入るすべてが『今回は違う』の典型」という。

・・・「今回は違う」という楽観の行き着くところは「構造論」だろう。そして(若林栄四氏が言うように)、構造論が現われると相場はお仕舞いだ。最近では「ニューエコノミー」や「ゴルディロックス」という言葉が広まると、株価は急落し経済危機が出現した。構造論は結局、循環論に敗北する。

テンプルトンといえば思い出すのは、「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という有名な言葉。「今回は違う」という根拠の薄い楽観の中で、断乎として行動することを忘れていると、相場や経済危機には勝てないんだなあ。(ため息)

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