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2010年4月27日 (火)

『普天間問題』小川和久

防衛・安全保障・軍事を考える時は、小川和久の本を読めば良いと思う。新刊『普天間問題』(ビジネス社)からメモ。

(普天間問題における)アメリカの懸念は、一にかかって「アジアにおけるアメリカの軍事的プレゼンスが低下するのではないか」という点にあります。逆に言えば、「アメリカの軍事的プレゼンスは維持される」という条件さえ満たせば、アメリカは基地の整理・統合・縮小についての話し合いに応じます。

日本が戦後に同盟関係を結んだアメリカは、日本が組むのにベストの相手だったと私は考えています。しかし、組んだ相手がベストだったことと、現在の日米同盟の中身がベストかどうかは、まったく別の話です。アメリカとの同盟関係を日本としてどう国益に生かすかという観点から日米同盟の中身を整理し、問題があれば修正し、健全化していくという不断の取り組みが必要です。

(日米)地位協定は、運用改善などという弥縫策でなく、きちんと改定すべきです。ブッシュ政権の国務副長官を務めた知日家のアーミテージ氏は、「日米地位協定を改定してくれという問題提起は日本側から一度もない」と語ったことがあります。戦勝国アメリカが敗戦国日本と結んだ都合のよい内容ですから、先方から変えると考えるほうが間違いでしょう。政治家や官僚の多くは、アメリカに守ってもらっている日本は文句など言えないと思いこんできたのです。こんな卑屈な態度は、いい加減に改めなければいけません。

小説家フレデリック・フォーサイスが私との対談で語った言葉です。
「アングロサクソンは、敵に対しては警告なしに拳を繰り出す。しかし、日本のような重要な同盟国が、自らの国益の問題からノーと言ったときは、真剣に耳を傾け、合理的な対案が示されれば受け入れる。日本は戦後ずっと、アングロサクソンのメンタリティで行動するアメリカと付き合ってきたのに、いまだに付き合い方がわかっていないようだ」

普天間移設をはじめ米軍基地の問題で、日本側に求められているのは、アメリカの同盟観をよく理解することです。そして、絶対に崩せない日米同盟の根本と、個別の懸案を峻別することです。そのうえで、日米同盟をよりよい方向に深化させると同時に、毅然として日本の国益を主張し、合理的な提案をぶつけるべきなのです。

・・・小川さんは、普天間問題を解決するためには、沖縄の負担を軽減する3つの条件(普天間からの危険性の除去、日米地位協定の改定、沖縄経済の活性化)を実現し、さらに現状認識と将来構想を提示して沖縄県民を納得させたうえで、総理大臣が沖縄県民に詫びるべきだと考えている。

米軍基地の問題は、かつて日本がアメリカに占領されていた事を改めて意識させられる。口の悪い向きは、日本はいまだに属国だなどと言う。その一方で、冷戦終了後も沖縄が引き続き地政学的な重要ポイントであり、アメリカが東アジア地域でのプレゼンスを維持するために譲れない拠点であることも事実だろう。大きな方向としては、沖縄から基地を無くすことを目指すのは当然だ。しかし当面は、「日米同盟の健全化」を一歩一歩進めていくしかないのが現実だろう。

まあ、アメリカ様に守ってもらっている、というより、おれたちゃ傭兵を使っているのさ、くらいに思ったほうがいいかもしんない。

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