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2010年3月20日 (土)

聖書と絵画

ひと月前の雑誌「PEN」(3/1号)の特集「キリスト教とは何か。」は、結構勉強になった。

世界最大のベストセラーといわれる聖書。西洋文化の基礎と言われても、じゃあ読もうかという気には正直なかなかならない。易しい解説本、例えば「まんがでわかる聖書」「図解聖書」の類でも、手には取るのだが、やっぱり読まないのだった。たぶん、あんまりストーリーそのものに興味が湧かないせいなんだろう。

でも、「PEN」の特集では、聖書の内容を題材にした美術作品をカラーで紹介しながら、聖書の重要エピソードを解説していて、それが印象的というか効果的。まあ旧約聖書にはヘンな話が多いな(100歳で子供を授かるとか、父と交わる娘たちとか、人妻の裸をのぞき見る長老たちとか)と思ってしまったが、自分のような非西洋人かつ非クリスチャンでも、聖書をちょっとは理解したかなという気になれるのが良かった。

そしたら書店で、『西洋絵画のひみつ』(藤原えりみ・著、朝日出版社)という新刊が目に付いて、この本も内容の半分は聖書関係という構成。カラー図版やイラストも多くて眺めやすかったので購入。

キリスト教が言葉や習慣の異なる人々の間に広がるためには、文字よりも目で見て分かる図像が必要とされたのだが、宗教美術は常に、「偶像崇拝の禁止」という聖書の教えと矛盾するという問題を抱えていた。聖像肯定派と否定派の議論は続き、8世紀頃には「イコノクラスム(聖像破壊運動)」にも発展した。さらに宗教改革の時代には、プロテスタントは偶像崇拝を徹底的に否定した。

また、キリスト教美術の図像における人物はもともとは平面的に描かれていて、東方正教会はこの伝統を守り続けたのだが、ルネッサンス以降はカトリックでは写実的な描き方に変わった。おそらくここから、キリスト教美術は「宗教画」から「絵画」へと変貌したのだと思われる。

聖書のエピソードを絵画によって知ると同時に、絵画の歴史を知ることによってキリスト教の考え方を理解するのは、西洋文化の基本を学ぶには効率的なやり方かもね。

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