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2009年12月 3日 (木)

「日本衰退」とアジア市場

まずは日経新聞マーケット総合面12月1日付のコラム「大機小機」(日本病、長期停滞の足音)からメモ。

国家経済の長期にわたる衰退・停滞を表す20世紀の言葉に、英国病とオランダ病がある。世界有数の債権国、福祉国家でありながら、国民の勤労意欲の低下や財政悪化から不況を克服できず、資本の国外流出を招いたのが英国病。通貨(為替レート)と生産コストがともに上昇し、製造業の国際競争力が低下、一方で過去の成長期に膨張した社会保障費が財政を圧迫し続け、経済停滞を長引かせたのがオランダ病。多くは今の日本にそのまま当てはまる。日本は根っこにデフレ、人口減という成長の二大阻害要因があり、より深刻ともいえる。

次に日経新聞本日付の「大機小機」(残された唯一の道)からメモ。

我が国政府のデフレ宣言は欧米諸国に衝撃を与えた。少子化問題、国内総生産(GDP)の2倍近くに膨れ上がった政府債務、民主党政権の不透明な経済政策など、経済成長への展望が全く描けないなかで、欧米メディアの多くは日本経済の新たな“失われた10年”が始まったと結論づけている。ただ、日本が採り得る方策があるとすれば、中国を中心としたアジア市場でのビジネスチャンスを積極的に見いだしていくことしかない、というのも欧米の一致した見方である。我が国の将来は、中国市場とのかかわりなしには見えてこない。

にも係わらず現状では、「中国市場での日本企業は欧米企業に後れを取っている」と、コラム氏は危機感を露にする。

さて、「日本の衰退」というと、なぜだか三島由紀夫が遺した言葉を思い出す。このまま行けば「日本」はなくなって、無機的でからっぽな経済大国が極東の一角に残るであろう、という「予言」である。もちろん40年前に作家が嘆いたのは、経済大国の物質的繁栄の中における日本的精神の衰退ということだろう。にしても今日、その経済大国の地位も危うくなってきた現状で、作家の言葉になぞらえて言えば、このままではアジアの成長にべったり依存して生きていく老大国が極東の一角に残る、ような気もしてしまう。

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