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2009年12月13日 (日)

雇用拡大にはデフレ脱却

「中央公論」1月号に掲載されている原田泰エコノミストの論文「格差是正で成長を目指せ」から、以下にメモする。

日本の本当の問題は、所得が伸びていないこと、すなわち成長率が低下していることだ。しかし、成長率を引き上げるのは難しい。規制緩和、民営化などの構造改革は成長率を引き上げるはずだが、効果はそれほど明白ではない。

成長産業を選ぼうという発想もある。政府が成長力の大きい産業に資金を投下して、成長産業を育成しようというのだ。しかし、これは社会主義の発想であり、社会主義が失敗したように、成長産業を選ぶという試みも失敗している。一橋大学の竹内弘高教授は、過去の20の成功産業(半導体、VTR、ファクシミリ、家庭用オーディオ機器、カーオーディオ、産業用ロボット、家庭用エアコン、炭素繊維、カメラ、テレビゲーム、自動車・・・)において、政府の役割はまったく存在しなかったと書いている。

結局のところ、どうやったら成長率を高めることができるのかは実はよく分かっていない。ポール・クルーグマン教授は、生産性が「長期的には・・・・・・ほとんどすべてだ」が、できることは生産性が上昇するように「せいぜいが祈るくらい」と書いている。
ただし、中期であれば、かなり確実に成長率を引き上げることができる。それは雇用を拡大することだ。

(そのためには、)まず(実質賃金を上昇させて労働投入を減少させる)デフレから脱却することが重要である。最低賃金の引き上げ、派遣労働の禁止、正社員での雇用を義務付けることなど、無理やり賃金を引き上げることになる政策は雇用を縮小させる可能性が高い。むしろ、デフレから脱却することによって、雇用を拡大することができる。

・・・メディアでは「成長戦略」とか簡単に言うけど、じゃあ政策で何をやれば良いのかというと難しい。何しろ「産業政策」はほぼ無効だし、生産性を高めるには「祈るくらい」しかない(苦笑)。デフレを止めるのは中央銀行に頼むとして、国の借金を増やす公共投資には限界があるから、結局政府にできるのは制度改革だけだろう。おとなしく「構造改革」を継続するしかないと思う。

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