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2009年10月 6日 (火)

トムラウシの教訓

7月16日に北海道・トムラウシ山で起きた遭難事故。登山客15人とガイド3人のツアーパーティのうち8人が死亡するという大惨事について、雑誌「山と渓谷」10月号が検証を行っている(この雑誌買ったの初めて)。気象的な要因を中心にメモ。

低気圧通過後の7月16日、大雪山系一帯では天候の回復が遅れると同時に、激しい強風に見舞われた。この強風は台風の暴風域レベルの厳しいもので、たまたま北海道中央部の一帯の、しかも標高2000メートルから3000メートルぐらいの狭い範囲が強風域になっていた。

悪天候というと、だれしも雨や雪を最初にイメージするのだが、本当に怖いのは「風」だ。雨が強い、雪がたくさん降るというだけで遭難することは、じつはそんなに多くない。悪天候で遭難するのは、ほとんどが強風をともなう場合だ。風でバランスを失い転倒、滑落する。風は体を冷やし、筋肉を固くする。風が強いときの山は本当に恐ろしいものだ。

トムラウシ山のあたりで20~25メートルの強風が吹いていた。その強風のなかを歩いたというのが一番の問題。かんたんに言えば、台風の暴風域のなかを歩いていたようなもの。夏山では考えにくい季節はずれの強風、予測することが難しい強風であった。

気象的には難しい判断だったかもしれないが、しかし最後に行動を決めるのは人間である。ツアーグループの場合は、ガイドがその場の状況を見て判断しなければならない。60代中心、男女の登山客15人が安全に歩ける気象状況だったのか、ガイドの判断が問われなくてはならない。

・・・ガイドの判断については気象要因のほか、体調不良気味のメンバーに登山を続行させた事の是非も問われる。とはいえ、体調・体力の把握・管理は個々人の責任という部分もあるとは思う。それにしても山は怖いとあらためて思わせる悲惨な事故だった。

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