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2009年10月25日 (日)

秀吉、ザ・グレート!

歴史上の人物に対する「世評」は果たして妥当か。『本当は偉くない?歴史人物』(八幡和郎・著、ソフトバンク新書)は、古代から昭和・平成に至るまで70人の人物を取り上げて考察。とりあえず戦国時代の三英傑を見ると、織田信長の「世評」は「やや過大評価」。徳川家康も「過大評価」で、「過小評価」されているのは豊臣秀吉。著者の見るところ、秀吉は「ナポレオンに比肩する近世社会建設者」なのだ。以下にメモ。

近年、橋下大阪府知事や河村名古屋市長、あるいは小泉元首相が典型的だが、「破壊者」であることが人気を博しており、だから織田信長の人気がある。

だが、当たり前のことながら、破壊は建設のための手段にすぎない。そういう観点からすれば、秀吉は戦国の諸大名や信長の事業を「いいとこ取り」するかたちで、法令の整備、兵農分離など身分制度の整理、権威としての朝廷の尊重、通貨制度の確立、統一税制の樹立、度量衡の統一、交通インフラ、江戸や大坂といった拠点都市の選定や整備などをすべて一人で成し遂げた。それはナポレオンに匹敵するものだ。

ナポレオンの業績も、アンシャン・レジームに萌芽があったり、ジャコバン政府によって開始されたものがほとんどだが、それを国家や社会の仕組みとして体系的なものに仕上げたのは彼であり、秀吉の仕事もそれに似たものだ。

秀吉の死によって、家康が天下を取ったことから、秀吉による近代化政策は後退し、日本が国際舞台で一流国として振る舞えるのは明治維新を待たなければならなかった。

そもそも、秀吉人気は江戸時代ですら抜群のものであった。幕府の禁圧にもかかわらず、『太閤記』は人々に愛された。戦後は、高度成長時代のサラリーマンにとって憧れの的だった。それが、日本人が後ろ向きになったのと軌を一にして人気が低下したのである。もし、秀吉人気が信長や家康を上回るようになれば、それが日本復活のときだろう。

・・・戦国という永い混乱の時代の果てに現れた「織豊政権」は、驚異的な牽引力でポスト戦国の新しい日本国を建設した。冷戦終焉とバブル崩壊の混乱が続いた後の日本が本当に復活するためには、織豊政権並かそれ以上のパワーと勢いが欲しいものだ。

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コメント

とても楽しいブログですねっ!
これからも頑張って下さい。(応援)

投稿: 日本の歴史人物オタク | 2009年10月29日 (木) 11時55分

きょ、恐縮です。(汗)
年寄りですけど、頑張ります。(苦笑)

投稿: donald | 2009年10月29日 (木) 22時10分

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