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2009年9月13日 (日)

生産性向上と失業者の発生

高校生からわかる「資本論」』(集英社)は池上彰の力作。さすが「解説のプロ」。

何というのか、大体の印象としては「資本論」的な「資本家」と「労働者」の対立は既に主要な問題ではないよなって感じ。資本主義は進化したというか洗練されたというか。

とはいえ、「失業者」の発生は、資本主義において最後まで残る問題かも知れない。本書の第14講(失業者を作り出す)からメモしてみる。

資本主義経済においては次第に生産性が高まってくる。機械を導入することによって、働く労働者の数は少なくて済むようになる。相対的に少なくなる。

経済がどんどん発展し、資本それ自体が大きくなっているときには、労働者が必要な比率は減っていても、全体のパイが大きくなっていれば、労働者はどんどん雇える。
しかし、比率が減
ってくるっていうことは、資本があまり拡大しなくなると、働ける労働者の数は減ってしまうんだ。つまり景気が悪くなると失業者がすごく増えてくるということになるわけです。

労働者が一生懸命働いて資本を生み出し、この資本が大きくなったことによって、逆に労働者はあまり要らなくなってきてしまう。
つまり資本主義がどんどん発展していくと相対的な過剰人口、つまり失業者を必然的に生み出してしまうんだ。
景気がよくなれば失業者は減る、景気が悪くなれば失業者が増えるというのは当たり前なんだけど、長期的には相対的な余剰労働者が、増えてきてしまうということなんです。

ここで経済学者・飯田泰之の2%成長論を思い出した。『脱貧困の経済学』からメモ。

僕が推している説に「2%仮説」というのがあります。どうも人間って、ほうっておくと毎年平均2%ずつくらい、賢くなるらしいんです。たとえば工場で同じ作業をずっとくり返していると、年に2%くらい効率がよくなっていく。効率化の原因って機械だけじゃないんです。知識や思考法も生産性を向上させる。そうやって2%ずつ効率がよくなっていくのに対して、現実の成長が0%だとどうなるかというと、2%ずつ労働力が要らなくなってくるんですね。

だから2%の経済成長が必要だ、と飯田先生は主張する。まあ、失業者を生み出す資本主義を否定して社会主義革命が起きるというのは最早あり得ないので、失業者を減らすためにも、何とか経済成長の手立てを考えなければいかんのかな。

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