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2009年8月29日 (土)

資本主義とどう向き合うか

雑誌「大航海」の休刊と入れ替えの様に?「思想と活動」の雑誌として、「atプラス」(太田出版)が新たに創刊された。第1号の特集は「資本主義の限界と経済学の限界」。岩井克人(経済学者)、水野和夫(エコノミスト)、各氏のインタビュー記事からメモ。

水野:利子率革命とは、具体的には2%以下の超低金利が長期間続く状況を意味しますが、10年以上に渡ってそれが続くと現在の経済・社会システムが崩壊してしまうという点で、まさに「革命」なのです。
利子率革命のもとではどんなことが生じるかというと、投資家が満足するようなリターンを得られる投資機会がもはや存在しないということです。投資機会が消滅し、資本の行き先がなくなり、金余り現象が起きることになります。

岩井:金融市場がうまく働くためには投機家が必要です。でも、プロの投機家がおたがいに競走し始めると、不安定が生まれてくる。これは、「ケインズの美人投票」と呼ばれるプロセスです。結局、他人が値段が上がると予想していると予想すると、買いを入れるので、さらに値段が上がる。バブルです。他人が値段が下がると予想していると予想すると、売り浴びせるので、さらに値段が下がってしまう。バブルの崩壊です。投機家たちがしのぎを削り始めるとそういう人たちの行動が必然的に不安定を生み出し、資本主義の本質的な不安定性の一つとなるのです。

・・・金は余っているというのに、もはや世界に投資機会は乏しい。少ない投資対象にみんなが争うように資金を注ぎ込めば、当然のようにバブルが生まれる。そしてバブルが崩壊すれば、その後始末をするのは国家しかない。ただし国家に対する二人の見方のニュアンスはかなり異なる。

岩井:今回の金融危機で、大きな教訓が得られました。今までグローバル化とは、資本主義が国家の上位に立って国家を支配するプロセスというように言われてきたけれど、少なくともこういう危機に際しては、主権を持つ国家しか頼れる存在がないということが示されたということです。

水野:私は、国家が資本家の使用人に成り下がってしまったのではとさえ思えてなりません。金融資産が140兆ドルまで膨らみ、実体経済の2倍以上の規模になると、それに対して国家はマイナスなことはできないわけです。とにかくあの手この手を使って、金融資本を減らさないようにせざるを得ない。現在、ケインズ主義が復活していますが、やむを得ないとはいえ、資本の使用人に甘んじる政策に終始しているように思います。

・・・金余りの中で、資本主義の不安定性を克服するにはどうすればよいか。

水野:利子率が最低になったということは、資本が行き渡ったということですから、欲を出さなければいいんです。成長ではなく、定常になるという認識をみんなが持てればいいと思います。

岩井:国家がさまざまな規制をし、危なくなると介入していきながら、そして望ましくは市民社会的な動きからの助けを借りながら、資本主義をその都度修正してゆくという方法しかないと思います。

・・・水野氏の「禁欲論」に対し、岩井氏はプラグマティズムというべきか。

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