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2009年5月12日 (火)

時価会計の落とし穴

「サブプライム・ローン問題」とは、金融商品の「ミスプライシング」から起きた技術的問題にすぎない、と強調するのは「伝説のディーラー」藤巻健史。著書である『100年に1度のチャンスを掴め!』(PHPビジネス新書)からメモする。

もともとサブプライム・ローン証券とは、低所得者層に対するローンを基にした、リスクの高い債券です。それにAAAなど高い信用度がついたことにより、高すぎる値段で売ってしまったのです。本来流動性のないサブプライム・ローン商品に関して誤った値付け(ミスプライシング)が行われてしまったのです。高すぎる商品が値崩れするのは世の常です。この値崩れの過程で、「時価会計」の弊害が現れてしまったのです。

取引が極めて少なくなった市場では「時価会計」が機能しません。明日お金が必要な人は、理論値よりもずっと低い価格で債券を売ってしまう可能性があります。バナナの叩き売りが始まるわけです。「バナナの叩き売り」が唯一の市場での取引だとすると、その価格が時価になってしまいます。高すぎた商品が、今度は安すぎる評価になってしまったのです。金融機関は、理論価格よりも大幅に低い「バナナの叩き売り価格」で保有証券を評価せざるをえなくなりました。その結果、巨額の評価損を計上。さらに、問題が「デリバティブ」という「世になじみの薄い商品がらみ」だったので、危機感があおられました。その恐怖感が事態を悪化させたのです。

今回の危機の本質は、流動性リスクの高い商品に深入りしすぎたせいだ、と思うのです。「流動性リスク」と「信用リスク」の問題であって、「レバレッジをかけすぎた」かどうかというような「マーケットリスク」の問題ではないと思うのです。

サブプライム・ローン問題は、あくまでもテクニカルな問題であり、それを人々の恐怖感が深刻にしてしまっただけ、と思うのです。そうであれば、そのテクニカルな問題を解決し、恐怖感を除けばよいのです。そうすれば株価は再度上昇し、資産効果によって、実体経済は急速に回復すると信じています。

・・・サブプライム問題に始まる今回の金融危機は、流動性の低い証券化商品のミスプライシングが修正されて異常値が発生し、それが時価評価として金融機関の財務に反映されるとの予想から、信用不安が拡大して深刻化したということになる。藤巻氏の景気回復シナリオは、「米国金融機関の株価上昇→米国一般株の上昇→日本株の上昇→円安ドル高による日本株のさらなる上昇→資産効果による実体経済の好転→さらなる日本株の上昇」とのこと。ここにきて最初の段階は実現したと思われる。今後の展開がシナリオ通りとなりますかどうか。

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