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2009年5月 3日 (日)

経済の変化をどう見るか

金融危機を背景に「構造変化論」が活発化しているが、変えるべき部分とそうでない部分を冷静に考える必要がある。「週刊エコノミスト」(5/5・12)掲載の「日本経済の転換期を生き抜くための4つの視点」(小峰隆夫・法政大学大学院教授)から、要点をメモ。

①マクロ経済の変化
今回の世界不況の震源地である米国よりも、その影響を受けた日本の成長率の方が大きく落ち込んだ。なぜこうした現象が起きたのか。米国での消費の減少に対応して日本国内で在庫調整と設備投資の加速度原理が作用したためだ。
一方、構造的変化も起きた。グローバルインバランスの是正である。米国への資本流入が減少し(経常収支赤字の縮小)、日本では輸出が減少し、企業業績が減少するという形で、国内貯蓄の減少(経常収支黒字の減少)が生じている。

②市場原理主義者批判
市場原理主義者批判は、本来存在しないような人(市場は万能だとか、すべての規制を撤廃すべきだと主張する人)を批判している。市場原理が本来持っている利点を発揮して、経済をより効率的にしていく必要がある。

③金融資本主義
金融制度の枠組みの再整備、金融工学の使い方の制御が必要である。

④輸出主導型経済
本当の問題は、輸出の増大によって生まれた経済的利益が内需の拡大につながらなかったことにある。今後世界経済が落ち着きを取り戻した時、日本は国際競争に打ち勝って、輸出を伸ばしていく必要がある。要は「輸出か内需か」ではなく「輸出も内需も」増やすべきなのである。

・・・今回の危機が発生して以来、「新自由主義」や「金融資本主義」、「輸出立国モデル」は終わった、という風な人目を引きやすい言葉が飛び交っている。大きな変化をきっかけに、物事を根本的に変えるべきだという話が出てくるのは勢いの赴くところだろうけど、実際には従前の物事をいきなり全否定できるはずもないので、まずは問題の在りかを認識したうえで、物事を地道に修正していくのが現実的な動きになるのだろう。

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