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2009年5月 2日 (土)

「脱成長」という価値転換

「週刊エコノミスト」(5/5・12合併号)掲載、佐伯啓思・京都大学大学院教授のインタビュー記事(日本を真に豊かにするために「脱成長社会」の道を探れ)からメモ。

危機の原因は、短期・中期・長期の3つの局面で考えるべきだ。
第1の短期的な要因は、金融緩和と住宅バブルを作り出した米ブッシュ政権の経済政策の失敗がある。
第2の少し長期的な問題は、米国の新自由主義政策と金融グローバル経済の行き過ぎだ。金融市場は本質的に何が起きるかわからない不確実性を持っているにもかかわらず、リスク管理ができると思っていた。
そして、第3の長期的な視点は、先進国がほぼ「需要の飽和」の状態に陥ったことだ。

類の歴史を長い目で見れば、経済の基本は、食べて生活を安定させて家族と暮らす土台を作ることだった。これが「生の経済」といわれるもので、現在でも、農業、医療、教育、地域に根付いた中小企業などはこのような面がある。市場経済の利潤原理が、この「生の経済」の隅々にまで浸透すると、人々の生活を支えている「社会」の基盤を掘り崩してしまう。

長期停滞は避けられないし、それは悪いものでもない。それを前提に、産業主義経済を支えてきた「近代主義」の価値判断を転換し、成長から別のものに関心を向け、「脱成長」の経済を目指すべきだ。私は「成長中心の考え方を変えよう」と言っているので、ゼロ成長を目指しているわけではない。

・・・「市場経済の行き過ぎが社会的基盤を壊す」という批判を、佐伯先生はそれこそ日本のバブルの頃から、倦むことなく展開してきた。(中谷巌よりもずっと前からだ)

インタビュー記事の中ではまた、日本人は、自分たちが本来持っていた豊かな価値観、自然観、死生観、歴史観などを世界に発信すべきだ、とも主張している。

まあ正直、日本人の価値観が世界に理解されるとは思えない(こういう考え方が日本人的?)ので、発信とか言われてもねぇ・・・。

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