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2009年4月27日 (月)

マネーの生産性

今回の金融危機の原因と対処法を考える基本的な概念としては、マネーの生産性(資本の利潤率)が有効――今週の「日経ヴェリタス」(4/26号)掲載のインタビュー「危機原論」、中前忠・中前国際経済研究所代表の発言からメモ。

「実体経済のミラー(鏡)にすぎない金融が、付加価値(収益)の源泉の実体経済の成長率を上回るという、あり得ない収益を求めた間違い」が、金融危機を起こした。「今回の危機はスケールが大きいだけでなく、一瞬のうちにマネーが蒸発してしまい」、「カネ余りは劇的に解消されてしまった」。

「借金して消費する米国中心の経済成長が持続可能なはずは」なく、「米国の経常赤字の裏にあるアジアの経常黒字をバックに、成長通貨が供給される世界経済の成長メカニズムが壊れれば、対米輸出に依存し、過剰生産力を抱えた黒字国は需要不足から米国以上に深刻な不況に陥る」ことになる。

「基軸通貨国の米国のバブル崩壊は、日本と違って世界経済への影響が甚大」だが、「これは経済の正常化」だ。「米国の財政資金の調達は国内の貯蓄でかなりを賄える上、経常赤字が顕著に減るので、ドルの暴落はない」。

日本は「内需型経済への構造転換にほとんど手を着けず、銀行のバランスシートを縮小しなかったためにマネーの生産性が低下し続けた」。「超低金利政策を続けて、不振企業を延命させた上、内外金利差による円安と利子所得の減少による消費購買力の低下を招いて、輸出依存を高め」るなど、「財政・金融のポリシーミックスを誤った」。

「過去の金融危機では政府・中央銀行がマネーを大量供給してカネ余りを助長する繰り返し」だった。「資本の利潤率を引き上げなければ企業は投資せず、需要を増やすには家計所得の上昇が不可欠」であり、「その条件を満たすには」、「新たなマネーをつくらずに不良債権を処理」して、「経済を筋肉質につくり替える必要」がある。

・・・グローバルなカネ余りのなか、資本は実体経済から求められる収益に飽き足らず、複雑な金融商品を開発すると共に大きなレバレッジもかけて暴走した挙句、自己崩壊した。今は、将来の投資の採算性を高めるために、過剰流動性に頼ることは最低限に止めつつ、速やかに不良債権処理を進めていく時なのだろう。

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