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2009年3月17日 (火)

「貧困」を放置するな

今週の「週刊ダイヤモンド」(3/21号)の特集は「あなたの知らない貧困」。記事の中から識者のコメントをメモする。

経済学者の中谷巌は、貧困層切り捨ては日本企業の弱体化につながる、と指摘。

戦争を繰り返し、奴隷制度による階級社会を是としてきた欧米と違い、日本は歴史的に中流階級が国民の多くを占めてきた。企業でも一部のエリートが従業員をこき使うのではなく、社員は平等。だから、現場が強い。だが、「構造改革」「グローバルスタンダード」の名の下に貧困層を切り捨てれば、日本企業の強みである従業員の能力は大幅に低下していくことになる。

貧困を放置すれば日本経済を支える人材が劣化するという危機意識を、社会学者の萱野稔人も共有する。

貧困問題のなかで最も深刻なものの一つが、貧困の世代間連鎖だ。国民全体を底上げするような、平等な教育機会を整えることが、この問題の解決につながる。
日本経済の基礎にあるのは、ものづくりの技術とイノベーションを支える優秀な人材の層の厚さだ。日本の経済力を支えるためにも、教育格差を下から縮めるような貧困対策が必要だ。

作家の佐藤優も、貧困は労働者の質を低下させて資本主義を崩壊させると語る。

資本主義では、ある程度の格差が出るのは当然のこと。むしろ、それが活力の源泉になる。しかし、今の日本で問題になっているのは「絶対的貧困」だ。マルクスの『資本論』によると、①衣食住とレジャー費用、②家族を持って子ども(次世代の労働者となる)を産んで育てる費用、③技術革新に伴う自己教育費、の三つを賄えるだけの賃金がなければ、労働者の質が低下し、資本主義は崩壊してしまう。

・・・貧困の放置は人材を劣化させて経済社会基盤の毀損につながる。とすれば、貧困は当然のように政治が対処するべき社会的問題である。

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