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2009年3月14日 (土)

レーニンの「帝国主義」

「中央公論」4月号「新・帝国主義の時代」(佐藤優)連載第2回からメモ。

レーニンは、〈もし帝国主義のできるだけ簡単な定義をあたえることが必要だとすれば、帝国主義とは資本主義の独占的段階であるというべきであろう。〉と述べた。独占によって市場が歪められ、純粋な資本主義が想定されなくなるということである。この独占資本が国家と結びつくところに帝国主義の特徴がある。帝国主義の本質を植民地主義と結びつけず、資本が集中・集積の結果生じることになる「資本の独占的段階」に着目したところに、レーニンの洞察力の優れた点がある。植民地化は、独占がもたらす現象面の一つなのである。

レーニンは、帝国主義について、もう少し詳細な定義を与えている。〈すなわち、(一)経済生活のなかで決定的役割を演じている独占を創りだしたほどに高度の発展段階に達した、生産と資本の集積、(二)銀行資本と産業資本との融合と、この「金融資本」を土台とする金融寡頭制の成立、(三)商品輸出と区別される資本輸出がとくに重要な意義を獲得すること、(四)国際的な資本家の独占団体が形成されて世界を分割していること、(五)最大の資本主義的諸強国による地球の領土的分割が完了していること。〉

レーニンの帝国主義に関する定義は、決してイデオロギー過剰なものではなく、国際関係の構造を分析する道具として、現在も有効性を失っていない。繰り返すが、植民地の有無が帝国主義の本質ではない。帝国主義の本質は、一国で処理できないほどの過剰な資本を集積、集中していることである。

・・・帝国主義の本質が「資本の集中」であるならば、現代は植民地なき新・帝国主義の時代である、ということになる。最近、論者は「週刊東洋経済」の連載で、帝国主義や社会主義を高校教科書を利用して解説しているが、ここでも「高校の政治・経済の教科書は国際関係の基本概念を理解するための良書だ」と記していて、出たあって感じ。「ビジネスパーソンが手っ取り早く質の高い教養を身につけるには、教科書を徹底的に読み込め」、と強調している。

・東洋経済連載記事のメモはこちら
(「世界史」で学ぶ帝国主義) (「政治・経済」で学ぶ帝国主義)

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