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2009年3月30日 (月)

映画「ワルキューレ」

ヒトラー暗殺未遂事件を描いた映画「ワルキューレ」を観た。昨秋、予告編を見た時には、有名な事件の本格的な映画化という印象から期待感もかなり高まると共に、トム・クルーズ主演のハリウッド映画ということで、どこまで脚色が入るものか少々懸念めいた思いも抱いていたが、実際見てみるとかなりマジメな作り方になっていて、その辺はやや意外というか安心したというか。

この事件の映画というと、自分はソ連映画「ヨーロッパの解放」の中で映像化されたものしか観たことがない。独ソ戦を「再現」したこの映画は、自分には基本的な参照資料となっていて、ナチスドイツ関係の映画(最近では「ヒトラー最期の12日間」)が公開されると、まず比較対照する作品だ。「解放」(DVD全3巻のⅡ・大包囲撃滅作戦)では、全篇130分のうち後半の30分で1944年7月20日当日の事件を再現。主要な戦闘場面よりも見所になっていると思う。今回の「ワルキューレ」は、暗殺実行者のシュタウフェンベルク大佐に焦点を当てながら、周辺人物も含めて、より詳細に事件の経緯を描き出している。暗殺失敗という結末は史実として分かっている観客にも、反乱者たちの緊張が同時進行的に伝わってくる仕上がりだ。

それにしても「ヒトラー最期の12日間」に続き、今回のゲッベルスも何か違うな~って感じ。インテリっぽくなきゃダメだよ。やっぱり「解放」のゲッベルスさんがベストだな。

最初の方のアフリカ戦線シーンにドイツ4号戦車が置いてあって、本物みたいに見えるんだけど、既存戦車の改造らしい(こちらを参照)。確かに本物よりキャタピラが幅広になってるけど、全体的によく出来てる。

終わり近くの裁判シーンでは、映画「白バラの祈り」でも登場した人物、フライスラー裁判長が例によって強い口調で被告を責め立てていました。

「白バラ」抵抗運動の学生たちも、「7月20日事件」のクーデター首謀者たちも、愛国的な信念から行動を起こしたものの不運にも失敗し、新しいドイツを見ることなく命を奪われた。その無念と絶望の深さは、我々の想像などはるかに及ばないものだろう。

この暗殺・クーデターが成功していたら、当然ヨーロッパの戦争終結は早まり、日本の戦争遂行意欲にも影響を与えたに違いない。もしかすると、日本に原爆が落ちることもなかったのではないかと考えると、この事件に対して無関心ではいられない。

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