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2009年2月 9日 (月)

いま帝国主義を学ぶ

「週刊東洋経済」連載「知の技法・出世の作法」。現在は「高校教科書で学ぶ国際政治」がテーマ。先週の「ウェストファリア条約」に続き、今週(2/14号)は「帝国主義」。筆者の佐藤優は「今の国際社会の構造は、古典的な帝国主義に類似している」という。以下にメモ。

帝国主義については、植民地侵攻を伴う歴史的負の遺産という印象が強い。ここで重要なことは、価値判断を離れて帝国主義という現象を等身大にとらえることだ。高校教科書の帝国主義に関する記述が、簡潔で本質をとらえている。実務家にとっても十分参考になる。

〈主要国の資本主義が発展し、相互の競争が激しくなると、将来の発展のための資源供給地や輸出市場として、植民地の重要性が見直された。長い不況が続いた1870年代以降には、本国と植民地の結びつきを緊密にし、まだ植民地となっていない地域を占有しようとする動きが高まった。この背後には、欧米諸国内に、ヨーロッパ近代文明の優越意識と非ヨーロッパ地域の文化への軽視がひろまり、非ヨーロッパ地域の制圧や支配を容易にする交通・情報手段が発達し、軍事力が圧倒的に優勢であるという事情があった。1880年代以降、諸列強はアジア・アフリカに殺到し、植民地や勢力圏をうちたてた。この動きが帝国主義である〉(『詳説世界史 改訂版』山川出版社)。

国家と資本が一体となって、国益の増進と資本の増殖を図ることが帝国主義時代の特徴だ。帝国主義を植民地支配と結びつけて理解する必要はない。アメリカやドイツは大きな植民地を持たなかったが、一級の帝国主義国になった。資本輸出によって、勢力圏を拡大することに成功したからだ。

今日、植民地を持たなくても、主要資本主義国は資本の輸出によって他国に影響を与えることができる。このような資本輸出が、個別企業の利益追求のためだけでなく、その企業が所在する国家の利益と一致した形で行われるときは、つねに帝国主義的性格を帯びるのである。

・・・20世紀に入ると、列強の対立から第1次世界大戦~大恐慌~第2次世界大戦と激動の時代が続く。歴史は繰り返す。もちろんそのまま再現されるとは言わないが、現下の状況が「100年に一度の経済危機」であるならば、歴史は学ぶべき必須科目だ。100年程度では人間の本性は変わらないとしたら尚更。

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