「相場学」の心得
相場を経済学で語るのは無理があるとして、相場のことは相場に聞く「相場学」を提唱する若林栄四。その新著『2019年までの黄金の投資戦略』から、「実際に相場と対峙する際に役に立つと思われる」ポイントをいくつかメモしてみる。
半年先、1年先のマーケットを考える場合は、とにかくチャートがすべてであり、ファンダメンタルズはまったく無視する。見るのはあくまでもプライスアクションに一定の規則性があるのかどうか。そこが、相場学の第一歩である。
基本的にマーケットはシクリカル(循環的)なものである。それが、シクリカルで説明がつかないような状況になったとき、初めて構造論が浮上してくる。しかし、それは相場の最終局面であるのが普通だ。
相場をやろうと思ったら、日柄がわからないと儲からない。ところが、多くの人は「いくらになるか」ということばかりに心を砕き、「いつになるのか」ということには、ほとんど無関心である。
多くの人は、相場の予想をさせると意外に正しいことを考えるものだ。結果、予想そのものは結構当たったりするものだが、いざ相場を張ることになると、なかなか儲けることができない。これは、相場の見通しがはずれているのではなく、自分の思ったとおりに手が出ていないだけの話なのだ。
基本的に相場というものは、怖い思いをしなければ儲からないようにできている。そもそも相場などというものは、フィジカル(肉体的)な苦痛がない代わりに、精神的な苦痛を対価として儲けているものだ。怖い思いもまったくせずに儲けるということ自体が、思想的に間違っている。
相場をやるときには少数側に身を置くことが肝心だ。よく相場格言で「人の行く裏に道あり花の山」などと言われるように、少数派にいるからこそ儲けも大きくなる。
そもそも、相場はレベル感でやるものではない。大事なのはモメンタムだ。モメンタムとは「勢い」のことである。モメンタムが持続しているかどうかが、投資判断を下すうえでは重要になってくる。
ちなみに、当面の相場見通しはドル円は2009年上昇、その後アメリカの財政赤字問題の深刻化などから2013年までドルは売られる。日米株価も同様に09年は反騰、10年以降は下落局面、13年に底入れするとのこと。
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