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2009年1月 6日 (火)

資本主義とグローバル化の行方

本日付日経新聞から、岩井克人・東大教授(「世界この先・サバイバビリティ」)、末村篤・特別編集委員(コラム「一目均衡」)、そしてコラム「大機小機」の言葉をパッチワーク的にメモ。まずは岩井先生の資本主義に対する基本認識から。

資本主義は効率性と安定性という二律背反の性格を持っている。市場の自主性に任せるほど経済は効率化するが、不安定さは増す。市場に委ねる部分を抑えれば経済は安定するが、効率は悪くなる。(岩井)

市場の自主性に任せれば任せるほど、強欲の生まれる可能性も大きくなる。

サブプライム問題は、強欲で結ばれた金融機関と投資家が引き起こした大惨事だった。投資銀行に代表される金融機関の問題はリスク管理の失敗という経営問題ではなく、自由化の弊害であり、国民経済を未曾有の危機に追いやった以上、規制強化は必至だ。投資家は一方的な被害者ではなく、金融機関と共生関係にあった。過大なリターンを求めた年金などの機関投資家が、実際にはあり得ない安全、有利な投資対象を求め、結果的に受益者でもある生活者の首を占めた。(末村)

今後規制強化は避けられないが、その在り方は理念的統制ではないだろう。

資本主義を守るためには、自由放任主義というイデオロギーから離れ、政府が中心的な役割を果たさざるを得ない。それが今回の危機の教訓ではないか。
あまり変な規制をかけると将来的に問題が起きる。国がすべてを統制することもできない。規制をかけたとしても、それを逃れた新たな金融商品が必ず生まれる。これがベストというものはないかもしれないが、継ぎはぎしながら規制を加えていくという現実主義しかない。(岩井)

資本主義、自由市場経済は否定しようもなく、自由化、規制緩和の行き過ぎの是正と共に問われるのは、これまでのグローバル化の在り方である。

世界の誰もが自由競争経済の持続を望んでいるのは、新興国も参加した昨年11月金融サミットでの20カ国・地域(G20)首脳合意でも明らかだ。問題はウォール街のやり方を単線的に広げた国際金融の強引さであり、世界は成長を続け、大不況に陥ることはないと拡大路線をひた走った国際企業の過信にあった。危機に立つのは資本主義ではなく、グローバリゼーションのあり様だ。(大機小機)

要は金融資本主義とグローバル化の問題である。
実体経済の規模や成長率を大幅に上回る金融資産の肥大や収益率が持続可能なはずがない。金融から実体への回帰は正常化の基本だ。(末村)

米国中心のメカニズムは修正が始まっている。互恵・補完関係にある国が集まり、ある程度の「自律的経済ゾーン」を形成しながら、世界不況の回避と成長維持でゾーン同士が連携する。保護主義ではなく単色のグローバリゼーションでもない「自立と共生」の道だ。マルチプル(多角的)グローバリゼーションが、見えてきた再起の芽だ。(大機小機)

アメリカ中心、金融資本主導のグローバル化の修正が今後の課題であります。以上。

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