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2009年1月 7日 (水)

経済と信頼と希望と

日経新聞「経済教室」は今週、「危機を超えて」というテーマで連載しているが、昨日6日の執筆者として作家の村上龍が登場。要点をメモ。

サブプライムローン問題が発生する以前から、日本社会は、各層、各組織相互の信頼が失われつつあって、今回の経済危機でさらに鮮明に表面化した。与党と野党、与党内の各グループ、官僚と政治家、内閣と議会、経営と労働、正規社員と非正規社員、富裕層と中間層と貧困層、自治体と中央政府、老年層と若年層、そして国民と国家、さまざまな利害の対立が顕在化し、不信の連鎖が起こりやっかいな悪循環が始まっているように見える。

どうして日本社会は豊かになったのに希望を持つのが難しく、閉塞感に包まれているのだろうか。今日よりも明日が、明日よりも一年後が、さらに五年後のほうが、自分の人生はより良いものになっているはずだという思い、それが希望だ。経済的豊かさを実現した成熟した社会では、将来的には必ず人生はより良いものになるという思いを持つのが難しい。

経済活動を根本で支えるのは信頼であり、年金、医療、介護、福祉など社会保障の危機が国民の国家への信頼を失わせ、政治への無関心が常態化した。不信と無関心の次に来るのは社会不安・暴動かもしれない。信頼を生むためには、希望を持ちうる将来的なビジョンが不可欠である。

・・・そして作家は、希望を生み出すビジョンとして「環境」、そして「親密で小規模な共同体」の再構築の二つが有効である、という。その是非はともかく、現実にビジョンを示す役割が期待されるのはやはり政治。しかしながら、豊かさを実現した後の低成長経済の中で、富の再配分が一段と複雑な課題になっている背景に加えて、グローバル経済や新自由主義的思想により社会的基盤が疲弊しつつあるという現実に対して、昨今の政治は全くと言って良いほど機能不全の状態に陥っている、としか見えないな。

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