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2009年1月16日 (金)

「転換論」は劇的だけど

「パラダイム転換論」が流行る昨今の状況に対して、本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」は、「我々は大きな転機に直面している」からこそ、「バランス感覚が必要」として、以下のように説く。

第一に市場原理の考え方について。市場万能主義は間違いだったと言われるが、もともと「すべてを市場に任せるべきだ」という主張は存在しない。できるだけ資源配分を自由な市場に委ね、市場の失敗がある部分については効率的に政府が介入するという原則は不変であるべきだ。市場原理そのものを否定するのではなく、自由と介入の境界線をどう引き直すかということが問われている。

第二に金融の役割について。金融資本主義の時代は終わったと言われるが、効率的な金融部門は製造業・サービス業の発展に不可欠である。金融部門の役割についての評価を引き下げるのではなく、金融が経済全体に役立つような発展を遂げるために、制度的枠組みを再構築していくことが問われている。

第三に米国の位置付けについて。米国一極集中時代の終わりと言われるが、知の拠点としての米国は不変である。米国の過剰消費体質は是正されるべきとしても、その基礎力は依然として世界をリードするパワーを持っているのではないか。

・・・「パラダイム転換論」は劇的で人目を引きやすいけれど、市場原理優先経済も金融主導資本主義も米国(ドル)中心の世界秩序も、いきなりすべてが「終わる」訳ではないし、そもそも完全に否定するのも現実的ではない。低成長に喘ぐ先進国の経済運営は常に効率性を求められる状況は変わらないし、官民問わず経済主体の規律をいかに維持するのかという課題も重くのしかかる。危機を経た後の現実の制度的改革の進行は、手探りで方向性を見つけていく、多分に散文的で地道な変化の積み重ねだろう。

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