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2008年12月23日 (火)

追悼2008

今年2008年に亡くなった各界著名人の中から、例えば俳優やジャーナリストなど一般的に知られている人ではなくて、まあ知っている人は知っているだろう、って感じの人を記して哀悼の意を捧げたい。

佐々木英信
証券業界では知られたテクニカル・アナリスト(相場の値動きを示したチャートの分析を行う専門家)。6月13日にセミナーの席上で昏倒、意識の戻らないまま3ヵ月後の9月25日に他界。享年58歳。
自分が佐々木氏の株価分析の話を初めて聞いたのは1997年の8月。相場には、過去に重要な転換点となった高値から安値、安値から高値などの期間や値幅が繰り返し現れるというのが、その分析の基本。その場では11月の中頃が相場の「変化日」に当たると説かれた。しかし何しろ3ヵ月先の話である。何が起こるかも分からない。半信半疑だった。ところが、実際に北海道拓殖銀行が破綻し、銀行への公的資金投入が進むという思惑から、株価は大きく上昇。その後山一証券破綻などから、基調として下げ相場が続いたのだが、それ以来佐々木氏の分析には注目するようになった・・・あれからたった10年余りで亡くなるとは。その分析手法は若手に引き継がれたとはいえ、自らのレポートに「流転」と題するなど、哲学的思考にも裏打ちされた個性は唯一無二のものだった。まさに生々流転は世の常とはいえ、早すぎる死だと言わざるを得ない。嗚呼。

草柳文恵
9月9日、タワーマンション高層階の自宅ベランダから外側にぶら下がる格好で首吊り自殺。病苦によるものだという。享年54歳。
評論家草柳大蔵の娘にしてミス東京にも選ばれた才媛。というか、自分のような古い将棋ファンには、棋士・真部一男との結婚で記憶される女性。実は、最近棋界の事情にとんと疎くて、彼女が自殺した際の報道から、およそ一年前に真部が死去していた事を初めて知った。後に別れたとはいえ、かつての棋界に華やかな話題を提供した美男美女が、二人とも50代で相次いで世を去るとは、何とも無常感に捉われるほかない。嗚呼。

アラン・ロブグリエ
フランスの作家。2月18日病没。享年85歳。
ヌーヴォー・ロマンとかアンチ・ロマンと呼ばれた実験的な小説の旗手。サロート、シモン、ビュトールと並ぶ四天王、だったか。読もうとしたけど、読めなかった覚えあり。もう20年以上も前、文学者主催の反核運動の集会に招かれて来日した時、講演の模様がNHKで放送されたのを見たことがある。確か「現実とは何か」という話で、結論は「現実とは解らないものです」と言われて、何だか実に「らしい」なあという感じだった。死をきっかけに、作品を何か読もうかと思ったが、やっぱり読んでない。嗚呼。

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