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2008年11月 8日 (土)

マケインも立派な人(らしい)

アメリカ大統領選挙で敗者になったとはいえ、マケインさんもかなり立派な人物らしい。海軍のパイロットとしてベトナム戦争に従軍。戦闘で瀕死の重傷を負い、敵に勾留され拷問を受ける。釈放された後も、膝や腕に不自由が残った。しかし90年代、上院議員としてベトナムとアメリカの国交正常化に貢献。ブッシュ政権によるテロ容疑者への拷問にも激しく反対・・・。以下に『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』(町山智浩・著、文春ペーパーバックス)からメモ。

マケインは共和党のマーヴェリック(はぐれ牛)と渾名されてきた。共和党は、ゲイ同士の結婚を違法化し、反体制市民の盗聴を合法化し、銃規制を緩和し、金持ちや大企業に減税し、福祉を削減する法案を提出してきたが、これらの大半にマケインは激しく反対してきた。

「共和党を元に戻したいのだ」とマケインは言う。黒人奴隷を解放したリンカーンは共和党だったし、共和党のアイゼンハワーはソ連と歩み寄り、軍産複合体を批判した。それが極端に右傾化したのは80年代、福音派を支持基盤に取り込んでからだ。福音派が政治を支配する現状をマケインは「政教分離というアメリカ建国の精神に反している」と批判した。それは正しいが、禁句だった。00年の大統領予備選で福音派は「マケインを絶対に大統領にするな」と信者を総動員して対立候補のブッシュ(福音派)を当選させた。

・・・福音派(キリスト教原理主義)って、傍から見ると「大丈夫か?この人たち」って感じだから、マケインはマトモな人なんだろうな。さて、雌伏の時を経て今回大統領を目指したマケインだけど、やっぱりタイミングが悪かった。イラク戦争そして経済危機というブッシュ政権の失敗の後では、次は民主党の番だという感じになるだろうし。それでなくてもクリントンVSオバマで、民主党は予備選から盛り上がっちゃったし。ペイリンちゃんの副大統領候補指名で多少巻き返したけど、これも結局ハズレだったみたいだし。

それはそれとして、オバマ次期大統領の演説に聞き入る人々の表情からは、多様な人々が一つに結束するというアメリカ合衆国の精神をあらためて確かめているような思いが伝わってきて、部外者にも感じ入るものがあった。

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コメント

私もこの本読みました。カール・ローヴが汚い手を使わなければ、2000年の大統領選挙はマケインさんとゴア氏の戦いになったはずなのに。

ニューヨークの場所も知らない人達の教育レベルの底上げこそが、米国の世界に対する貢献と責任なのではないか、などとも考えてしまいます(たのむよオバマさん)。

投稿: 秘密組合員 | 2008年11月 9日 (日) 00時17分

この本によるとアメリカ人の「無知」、それは聖書を絶対視する反知性主義「無知こそ善」に由来するとか。保守とリベラルはアメリカの本音と建前なんだろうけど、キリスト教極右の福音派になるともう全く理解を超えるなあ。

投稿: donald | 2008年11月 9日 (日) 09時50分

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