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2008年11月 7日 (金)

入院経験の記録(手術篇)

(承前)脊髄腫瘍の摘出手術を受けることを3月上旬には決心したが、手術時の大量出血に備えるため、輸血用として先に自分の血を取っておく(自己血とか貯血とか言ってた)段取りが入るなどして、結局4月14日に再入院、3日後の17日に手術を行った。手術直前は若い看護婦さんに浣腸はされるわ、腰回りには十字帯というエグい感じの下着を付けるわ、いろいろ辱め(汗)を受ける。朝の9時には手術室に入り、全身麻酔ってもう仮死状態だよな~怖いな~と思いつつ、麻酔の点滴を受け始めるとすぐに意識を失った。次に目が覚めた時は、人のざわめきと器具を片す金属音が聞こえてきて、(あれ、もう終わったの)と思う位、10分程度しか経っていないような感覚。実際にはその時点で夜の11時頃、14時間が過ぎていたのだった。目が覚めた直後に身体が大きく震え続けたのだが、しばらくして止まる(理由不明)。すぐにICU(集中治療室)に移されて、痛み止めを打たれながら、そこで一夜を明かした。照明を落とした部屋で冷たい機械に取り囲まれて、ベッドの上に生身の人間がいる図は何だか不気味だなと感じる。

翌朝、病室に戻る。声がかすれて良く出ない。長時間の麻酔の影響らしい。手術後二日目に妹夫婦が見舞いに来たが、話す気力も余り出なかった。食事を残してしまうのは、食欲が無いというより、食べるだけで疲れちゃう感じ。手術後一週間は安静のため寝たきり状態で過ごす。点滴を何回も受ける。尿道には管が入りバッグに尿を取る。血栓が出来るのを防ぐため、両脚にクッションが巻かれて、そこに機械で四六時中空気を入れたり出したりする。寝返りをするたびに背中に激痛が走る。どうしても声が出ちゃう。入院期間の前半は個室に入っていたのだが、余計にお金がかかっても、手術直後は個室の方が周囲に気兼ねしなくて良いと思った。痛い痛い痛い~っていつも言ってるし。寝たきり状態のため、ベッドの上で容器にウンコしなきゃいけない時もあるし。

手術から一週間後の24日に歩行のリハビリ開始。既に前日、胸から腰までのコルセットも装着。ベッドに腰掛けた状態から立ち上がる時に激痛。こんな痛み、本当に取れるんだろうかと思う。リハビリ室への移動に最初2日間車椅子を使う。気分はすっかり老人。つくづく、将来介護状態になってはいかんなと実感する。リハビリはまず平行棒を使っての歩行。文字通り地に足が着いていない感じ。腰が左右に揺れて不安定。25日、若い看護婦さんに尿道から管を抜かれる。(汗) その日の夜は尿意があるのに、なかなか出せなくて結構辛かった。手術から二週間後の30日に抜糸。背中の下半分に20㎝以上の大きな傷跡。腫瘍が長く広がっていたということ、2ヵ所にあった(だから最初、転移を疑われた)ことで、大きく切られてしまったあ。

5月初めにシャワーで身体を洗うようになる。空きが出たので大部屋(4人部屋)に移動。リハビリは1日40分程度。あと食事、シャワーの他に毎日決まった予定は無し。自分でU字型の押し車(サークルと言ってた)を使って病院内を歩いたり、階段の上り下りをしながら入院生活の後半が過ぎた。階段の上り下りが辛いのは、ちょっとショック。階段だらけの都会の生活に復帰できるのか?と不安を感じたりした。

そんなこんなで、手術から1ヵ月後の5月16日に退院。現状では左足先の麻痺は残っていて、歩く時は意識せざるを得ない。腫瘍が脊髄を圧迫していた期間が長かった(確実に一年以上)し、腫瘍を取ってもすぐ元通りになるとは思っていないが、良くなるとしても時間はかかるのだろうと観念している。

それにしてもニッポンの看護婦さんは本当によく働いている。ヨシコさん、ハタノさん、ミチヨさん、その他の皆様、有り難うございました。ああ、でも、看護婦さんって、男の下半身たくさん見てるんだろうなあ。(汗)

病院にいると普段の生活よりテレビを見ることが多くなる。2月の検査入院時の主なニュースは、イージス艦と漁船の衝突、三浦和義再逮捕(後に自殺するとは!)。手術入院時ゴールデンウィーク前後の主なニュースは、ガソリン価格、米民主党予備選挙、北京聖火リレー。半年後の現在、ガソリン価格は下落、オバマさんはめでたく大統領に。

北京パラリンピック車椅子テニスの金メダリスト国枝選手は、子供の頃脊髄腫瘍で下半身不随になったという。詳しいことは分からないが、やっぱりそういう可能性がある病なのかと思う。正直に言えば、たとえ金メダルを貰っても、下半身不随は御免だ。

40代の終わりに手術を経験して、改めて人間50年、その後は余生と思い定めるのがよろしかろうと。人生80年時代といっても、おそらくはジジイの期間が延びただけの話だろうし。ならばなおさら身体は何とか動くようにしておかないとなあ、そんな感じである。

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コメント

入院してたのは知っていたけど、大変だったのですね。
自分は扁桃腺を切るので1週間だけで、それなりに面白?
かったけど、これは辛いわな。でもまずは良かったですね。

投稿: KO | 2008年11月 7日 (金) 21時20分

KOさん、有り難うございます。

投稿: donald | 2008年11月 8日 (土) 07時30分

良くぞご無事で手術室から娑婆に戻ってこられました。 大変な体験をされていたのですね。

くれぐれもお身体ご自愛下さい。


投稿: はっしー | 2008年11月 8日 (土) 20時43分

はっしー君、有り難うございます。
そちらも相場には気を付けてください。(笑)

投稿: donald | 2008年11月 8日 (土) 21時16分

すみません
少しお尋ねしたいことがあるのですが・・・

私も脊髄腫瘍がみつかり28日に検査を受けおそらく直ぐに手術するとおもうのですが手術後麻酔が切れると痛み止めを処方されるらしいですがそれでも大分痛いですかね?


よろしければ教えてください

投稿: ヒロ | 2009年1月21日 (水) 17時17分

そうですね~あくまで自分の場合は、ってことですが、手術直後に目覚めた時は痛みを感じますけど、そのままICUに運ばれて痛み止めを打たれた後は、次第に意識を失って、殆ど眠っていたような状態だったので、痛み止めは充分効いていたと思います。

投稿: donald | 2009年1月21日 (水) 20時10分

そうなんですか それを知ったら少し落ち着きました

自分まだ成人してないんでこんな大掛かりな手術初めてなんでびびってまして(:_;)

教えてくれてありがとうございましたflair


もうちょっとお聞きしたいことがあるんですけど差し支えがなければ教えてください

多分donald様と同じ部位に腫瘍があるんですけど大体何日くらいで手術の痛みは引きましたか?

投稿: ヒロ | 2009年1月21日 (水) 21時13分

そんなに若いのか~。
これもあくまで自分(40代後半)の場合は、ってことですが、寝返りをする時や立ち上がる時の痛みが消えるのに2週間位かかったような気がする。

投稿: donald | 2009年1月21日 (水) 23時25分

そうなんですか!? 二週間かぁ 少しきついなぁ(:_;)


わざわざ質問に答えてくれて本当にありがとうございました

多分また不安になったらお尋ねすると思いますが・・・

どうかよろしくお願いします

投稿: ヒロ | 2009年1月21日 (水) 23時42分

一応軽い検査でわかったことを報告させてもらいますsweat02

自分の腫瘍は内髄腫瘍だということと手術日が4月16日ということです(-.-;)


とても難しい手術らしくて他の病院で見てもらうよりうちで見たほうがいいということで決まりました(v_v)
新学期ピッタリか一日過ごしてかの入院なのできついです・・・

しかももしかしたら手術前に足が動かなくなったり失禁してしまうかも等凄まじいことを言われました(┬┬_┬┬)


多分手術前にまたコンタクトをとらせてもらいます。その時はよろしくお願いします

投稿: ヒロ | 2009年1月30日 (金) 13時01分

ヒロ君へ

髄内腫瘍とのこと、どう反応していいか悩んでます。

自分の場合は硬膜内髄外腫瘍(良性)で、比較的深刻でない(手術そのものは13時間以上かかりましたが)病でしたが、髄内だと、自分よりも難しいのは確実だろうと。

手術予定が緊急ではないので、おそらく悪性ではないと思うのですが、たぶん大手術になるのでしょう。

手術の話をあれこれ聞かされたり、自分でも調べたりすると、どうしても不安な気持ちになると思います。

でも結局手術そのものについては、先生に全てお任せなので、まさに「まな板の上の鯉」になるしかないです。

あとはやっぱり、手術直後の時間がちょっと辛いかなあ・・・。

自分が脊髄腫瘍のことをブログに書いたのは、マイナーな病変なので、特にこれから手術やリハビリをする人の参考になればいいな、と思って書いたので、ヒロ君のコメントはもちろん歓迎ですが、髄内腫瘍と聞いて、これはちょっと自分の経験では及ばないところがあって、役に立てるのかなあと、正直自分も軽くショックを感じているところです。

投稿: donald | 2009年1月30日 (金) 21時16分

そんなことないですよ

donaldo様の手術の経験をを見てこれからすることの内容を知れて初めの頃よりもとても落ち着いています(>_<)

それに質問にも答えてもらえてとても嬉しいです

すごく感謝しています

いままでにここに来られた方も同じ気持ちだと思いますよ


まぁ髄内腫瘍の人のブログが無いのは気にかかりますがもう開き直っておりますp(^^)q

「十万人に一人だぁ〜 イヤッホ〜」 とか

「自分よりも年下でもっと苦しい思いをしてる人もいるんだなぁ」 とか

ま、気楽な人間ですから


本当に親身になって考えてくれてありがとうございました\^o^/

投稿: ヒロ | 2009年2月 1日 (日) 13時09分

ヒロ君へ

いやもう10万人に一人だからね、伝えられることがあれば、ホントに何でも伝えたいですよ。

あと2か月半、病院でも充分に準備をするんだろうから、患者としても体調を整え栄養を取って備える、痛みとか歩行の具合は分からないけど無理しないで過ごす、ってことですね。当然の事だけど。

投稿: donald | 2009年2月 1日 (日) 17時08分

ちょっとしたことなのですが報告しておきます

今日電話があって席が空いたので明日検査入院をすることになりましたsweat02

嬉しいんですが・・・いきなりすぎて準備がf^_^;


お聞きしたいのですが検査入院は何日ぐらいかかりましたか?

投稿: ヒロ | 2009年2月 3日 (火) 22時46分

自分の場合は一週間だったよ。
MRIやCTその他画像撮影は何回かやったし、撮影の時の造影剤注射や脊髄注射、採血も含めて注射はたくさんしたなあ。一回の検査自体はそんなに時間を取らないので、検査入院の時は結構ヒマだった。
自分も2回目の診察で、いきなり「今日の午後入院してください」と言われてタマげた。入院経験もちろん無し、これからも無いと思っていたので余計にアセったよ。

投稿: donald | 2009年2月 3日 (火) 23時10分

一週間・・・

祖父の四十九日出たかったのにでれないなぁ(:_;)悲しい


donald様も大変だったんですね 自分は学生だから休んでも支障は無いけどお仕事は休んでしまうと大変なのに・・・

投稿: ヒロ | 2009年2月 3日 (火) 23時43分

報告が大変遅くなりました
まず先に一つ謝りたいことがあります 自分の腫瘍は内腫瘍ではありませんでした 以前行ってた医者に神経の中になにかあるといわれ、大学病院でも難しい手術になるといわれ勝手に決め付けていました

自分のは髄内外腫瘍で上衣種か粘液乳頭状上衣種の可能性があると言われました
詳しいことはわかりませんがおそらく後者だと思います 先生が初見では後者だと思ったが上衣種の可能性もあるとのことでした


ちょっと疲れました・・・また詳しいことがわかったら報告します

投稿: ヒロ | 2009年2月22日 (日) 11時23分

まあホントに脊髄腫瘍というのは、マイナーなくせに色々種類があって、最初の段階でこれだと特定するのが難しい感じですね。

とりあえず御苦労さま。

投稿: donald | 2009年2月22日 (日) 16時42分

お久しぶりです
明日が手術日になりました
本体が十七センチで
二十センチ切る予定です

いままでいろいろと教えてくださりありがとうございました

投稿: ヒロ | 2009年4月15日 (水) 23時26分

そうか。その日が来たか。
16日だったよなあと覚えていたけど、予定通り来たか。
奇しくもと言うか、17日は自分が丁度一年前に手術を受けた日なのです。
手術そのものは先生にお任せなので、どうこう言うことは無いけど、とりあえず手術後の回復が順調であることを祈っています。

投稿: donald | 2009年4月15日 (水) 23時41分

無事手術が終りました。
五体満足で帰ってこれたのですが、私の腫瘍の場合再発性の高いもので
通常は腫瘍本体を袋状で覆っているタイプなのですがその袋が破れてしまっていて今後、放射線をかけることになってしまいました。

頭にもかけるので副作用もあるとのこと…


辛いなぁ……


さて
暗い話しになってしまいましたがdonald様には本当に感謝の一言です。

おかげさまで手術に立ち向かう勇気もできて無事終了することができました。

まだ闘いは終わっていませんが、この精一杯の感謝の気持ちを伝えたいです。


ありがとうございました。

投稿: ヒロ | 2009年4月20日 (月) 20時15分

手術が無事終了ということで、ひとまず安心すると共に、まだ手術後間も無い、辛い時間帯で連絡をもらって少々心苦しくもあります。無理しないでね。

いろいろ難しそうな感じの腫瘍ですが、基本的に良性であれば、じっくり治療して回復が見込めると思っています。辛い時間も必ず過去になると思って治療・リハビリに専念してください。

また連絡をくれる時は退院してからで良いからね。

投稿: donald | 2009年4月20日 (月) 21時39分

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