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2008年11月 9日 (日)

「龍馬」像の変遷

先週、NHK大河ドラマ「篤姫」で玉木宏扮する坂本龍馬が暗殺された後、2010年大河ドラマ「龍馬伝」の主役は福山雅治に決まったことが発表された・・・坂本龍馬って、当代トップクラスのいい男が演じるもんと決まってるんでしょうか。(苦笑)

自分は坂本龍馬の何が良いのかよく分からない。それは、やっぱり司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでないからなんだろう。つまり龍馬は歴史的評価の定まった偉人というよりも、小説の中のフィクショナルな部分が多い人物と思われる。『うわさの日本史』(加来耕三・著、NHK出版生活人新書)から以下にメモ。

龍馬が、歴史上の人物として、顧みられたことは、実はきわめて少なかった。「もしもその人間がいなかったら、歴史が変わったか変わらなかったか」というのが、歴史学の判断の基本となるからである。龍馬は歴史学上ではなく、いわば文学上の人物として、まばゆいオーラを今日に放っているのだ。

同書によれば、時代と共に龍馬像は変遷してきた。明治期は海軍の守護神、大正期はデモクラシーの先駆者。そして昭和の敗戦後、「竜馬がゆく」によって高度成長期のアイドルになる。

だとすれば、なんのことはない。龍馬とは、われわれ日本人の鏡像ではないのか。
いま日本人は、輝くような未来を信じる昭和の龍馬に、居心地の悪い、なじめない何かを感じているはずだ。時代の制約を受けない小説、などというものは存在しない。日本はすでに低成長、それも夢や理想の育みにくい時代に移行している。

今後、新しい時代背景を背負った新しい龍馬が登場してくると著者は見ているが、自分はちょっと懐疑的ですね。無理矢理言えば、近代化を成し遂げると共に日本の「青年期」が終わって既に久しいと考えられる今、小説やドラマで、新しい龍馬像を提示するのは容易ではない感じがする。むしろ基本的に「竜馬がゆく」イメージのまま、ノスタルジックな存在になっていくんじゃないのかな。

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