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2008年10月23日 (木)

レーガン主義との訣別

今週の「ニューズウィーク日本版」(10/29号)掲載の「アメリカ株式会社の没落」(フランシス・フクヤマ)からメモ。

(レーガン主義において)とくに神聖視されたのが、減税を行っても財政赤字は拡大しないという考えと、金融市場には自主抑制メカニズムがそなわっているという考えだ。

実際には、レーガン主義者の考えは誤りだった。支出を減らさずに減税すれば、結局は赤字に苦しむ羽目になる。減税に関するレーガン主義の誤りを見えにくくした要因の一つは、経済のグローバル化だ。外国人がドルを買い続けたおかげで、米政府は赤字をかかえながらもかなりのペースで経済を成長させることができた。

レーガン主義者がめざした金融業界の規制緩和は、ウォール街の金融機関の賛同の下で推進された。
規制緩和は、確かに商品開発に役立った。しかし今回の金融危機の元凶は、債務担保証券など、規制緩和で生まれた商品だ。
規制緩和はシリコンバレーのような場所ではプラスに作用するが、ウォール街ではそう簡単にはいかない。金融機関にとって最も重要な信頼を守るには、政府の監督の下で経営の透明性を維持するとともに、リスクの高い取引には手を出さない堅実路線を取る必要がある。

今回の危機から立ち直るには、根本的な変化を起こす必要がある。われわれはまず、税金と規制に関するレーガン時代の考え方を捨てなければならない。減税は必ずしも成長を刺激するわけではないし、最終的に税収増をもたらすかはわからない。
今の金融危機を見てもわかるとおり、規制緩和が生む問題や市場のスピードに監督当局が対応できないと、大混乱を招くおそれがある。

レーガン革命は50年に及ぶ民主党支配を打破し、当時のアメリカがかかえていた問題に解決策を提示した。だが、時代は変わった。

・・・フクヤマといえば、冷戦終末期に「歴史の終わり」(自由な民主主義の勝利)という概念を呈示したことで印象の強い知識人。なので、冷戦終末期以降の新自由主義やグローバル資本主義の勢いに一区切りを付けるような昨今の情勢について、何を語っているのかと気になった。けど、金融危機によってアメリカのブランド力は損なわれている、とかそんな話で、あんまり感心しなかった。

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