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2008年9月 6日 (土)

劇画「信長」(池上遼一)

劇画「信長」(工藤かずや・作、池上遼一・画)が文庫版(全5巻)で登場。版元はコミックス版(全8巻)と同じメディアファクトリー。「幻のコミックス」といわれた小学館版(7巻まで発行後、未完のまま絶版)から13年を経て、メディア社が2003年に「完全版」として再刊した時は、それはもう長生きしてよかった、という位の一大事であった、ホントに。

5巻本の体裁は、やはりメディア社が廉価版というのかコンビニ・コミックの形で一度出していたので、初めてではない。個人的には小谷城攻めの話が途中で切れることなく読めるのが満足、全体的にも話の区切りの良いところで次巻に続く感じがする。

後半、やや画が粗くなった感じがするのだが、これは掲載誌の「ビッグコミックスペリオール」が、当初の月刊から月2回発行に変わった影響もあるのかなと、勝手に推測。

当時、池上は「ビッグコミックスピリッツ」で「クライング・フリーマン」を連載。「信長」の雑賀衆・陣兵衛のキャラが、「フリーマン」の敵役とかなりかぶっていたのはご愛嬌。

この劇画の信長は最後まで月代を剃ることはないのだが、これは池上・信長のダンディズムなんだろうな。

正直、この劇画で初めて知った史実もある。香木「蘭奢待」の話がそうだ。とても印象に残ったので、確か1997年の秋だったか「正倉院展」で蘭奢待が出品された時に、奈良まで見に行ったことがある。

本能寺の変の原因は、黒幕説や四国・長宗我部攻めとの関連が唱えられる現在の目から見ると、ビミョーな感じだが、いずれにしても信長の生涯を迫真力をもって描ききったといえるこの劇画は、まさに「これ以上の信長はありえない」という作品になっているのは確かだ。次は5巻本で判型を大きくして「愛蔵版」も作って欲しい!

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