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2008年9月22日 (月)

「上げ潮」政策の幻

財政出動でも増税でもない成長重視、いわゆる「上げ潮」の経済政策は、現状では空念仏に過ぎないようだ。『この国の経済常識はウソばかり』(トラスト立木・著、洋泉新書y)からメモ。

上げ潮政策は、もともと具体的な成長政策の提示に乏しく、世界経済の成長と軌道を合わせて日本経済も成長を果たそうという面がありました。しかし、上げ潮の前提条件になる生産性の急速な向上や国際競争力のある経済構造へ移行できる制度的な保証は何もなかったわけです。

振り返れば、この数年間の景気回復は、円安と米国市場、BRICs市場の成長に支えられて「外需依存型」でやってきました。それがサブプライム問題を発端とした原油高、資源高、食糧高による世界不況により、今や「上げ潮」の前提は総崩れに近い状況になりました。

齢化、人口減少、財政赤字など日本の成長を妨げている要因に本格的なメスを入れることを避け、自分自身の改革という自助努力を抜きにした成長策は、初めから失速することが目に見えていました。

株式ストラテジストの北野一も、「上げ潮」について意見している。雑誌「論座」10月号(この号で休刊)の鼎談「マネーは国家を超えるのか」における発言。

自民党の上げ潮派の人たちは、「成長率を上げましょう」と言っているわけですね。でも、簡単にできっこない。「生産性を上げるなんてあなた、具体的な方法を教えてください」という感じですよ(笑い)。方法論にリアリティーがないから政権内で説得力を持てないんですよ。

・・・「上げ潮」が実現できれば理想的なんだろうけど、それを具体的に政策化するのが一番難しいワケで。結局、麻生総裁もすんなりと誕生しちゃったし、「上げ潮」派も何となく消えるのかな。ていうか、経済対策か財政再建か、はたまた成長かというような従来型の経済政策の選択よりも、今の日本がやるべきことは、思い切った人口減少対策か、さもなくば道州制も含めた国家的制度改革か、って感じだけどね。

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