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2008年8月17日 (日)

マフィア映画に学ぶこと

雑誌「サピオ」(8/20・9/3合併号)掲載の企画、「マフィア・ヤクザ映画」ベスト50の第一位は「ゴッドファーザー」。以下「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「アンタッチャブル」「俺たちに明日はない」「仁義なき戦い」と続くが、「ゴッドファーザー」は圧倒的支持とのことで、マフィア映画という枠を超えた名作の地位を確立しているのは疑いない。

ランキングに並ぶギャング映画が題材にしている人種や舞台は様々。ユダヤ系やアイルランド系、香港やパリ・・・。しかしマフィアといえば、やっぱり「ゴッドファーザー」の描く、ニューヨークのイタリア系ギャングが「本家」だろう。実在の大ボスで有名なのは、ラッキー・ルチアーノ。1930年代の初めに、マフィアの「近代化」を成し遂げた男である。

当時、ニューヨーク暗黒街では、マッセリアとマランツァーノの対立が激化していた。「カステラマレーゼ戦争」と呼ばれたこの争いで、ルチアーノはマッセリア側に属していた。1931年4月15日、マッセリアはレストランで射殺される。食後にトランプの相手をしていたルチアーノがトイレに立った時、何者かに襲われたのだった。ルチアーノがマランツァーノに通じて、取引したといわれる。そして半年後、「ボスの中のボス」として振る舞うマランツァーノに、自分を始末する意図があることを察知したルチアーノは、先手を打つ。1931年9月10日、マランツァーノは事務所で殺害される。警察官を装った殺し屋たちの仕業だった。古い世代の代表者を葬ったルチアーノは、有力なボスたちの集団指導制で動く組織として、マフィアを近代化した。(参考:「マフィア経由アメリカ行」常盤新平)

この辺の経緯を描いた映画としては、「ゴッドファーザー」と同時期に作られた実録物の「バラキ」、「コーザ・ノストラ」がある。また、若き日のルチアーノを主人公とした「モブスターズ/青春の群像」(1991年公開)も、二人の大物ボスの間で立ち回りのし上がる男の物語。今月発売の廉価版DVDを見ると、実録物というよりはもう少し軽い、かなりフィクションを織り交ぜたTVドラマ的な作り方。銃撃とか流血とかは結構派手だったりする。

「ゴッドファーザー」を大人になってから観ると、人間社会の様々な場面に現れる「政治」の映画なのだと思える。(・・・最近は繰り返し観たくなる映画が少なくなりました。映画そのものをあんまり見なくなっているし・・・)
マフィアという組織は、暴力という手段を積極的に採用して自らの目的を達成しようとする極端な集団ではあるけれど、その極端さゆえにかえって、人間の集団や組織の本質をストレートに示しているような気がする。マフィア映画に学ぶところがある所以だ。

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