« マフィア映画に学ぶこと | トップページ | ソンタグのファシズム論 »

2008年8月23日 (土)

映画「意志の勝利」(DVD)

先日、勤め先の近くにある東京国立近代美術館フィルムセンターの前を通ったら、現在上映中のヨーロッパ映画特集(9月28日まで)の作品とスケジュールが掲示されていて、「禁じられた遊び」「第三の男」などの名作と共に、レニ・リーフェンシュタールの「民族の祭典」「美の祭典」もプログラムされているのが目に付いた。「オリンピア」2部作――例のベルリン・オリンピックの記録映画である。

で、レニ・リーフェンシュタールといえば、もろナチス映画があったっけという感じで、思い出したのが「意志の勝利」。ナチスのプロパガンダ映画とされてドイツでは上映禁止という、いわくつきの作品だけど、「オリンピア」よりはこっちを見たいなという気持ちになった。でも、これからいつどこで上映するかなんて分からない。日本でもなぜか商品化されてない作品だが、気になりだすと気になり続けるもので、結局3,965円也を払う決心をして、アマゾンからアメリカ版DVDを取り寄せたのだった。

内容は、1934年9月ニュルンベルクにおけるナチス党大会の模様だが、今となっては良く出来た記録映画というほかない。プロパガンダ映画という程、あざとい演出が為されている様には見えない。変に期待したせいか、やや拍子抜けした感じ・・・。ずいぶんたくさんの撮影カメラをあちこちから回しているなあとは思ったけど、後は編集作業の腕で見せているという印象。基本的にナチスそのものが宣伝について心得ていた、自己演出力の高い組織だった、そのことをこの映画は正攻法で記録したように思われる。

ナチスが提供する様々なスペクタクル――巨大なスタジアム、その会場を埋め尽くす人々及び旗の群れ、終りが無いかの様に整然と続く行進等々。その中心にいる「主役」ヒトラー総統が、党大会の終わりに締めくくりの演説を行う。ドイツ語は演説に一番向いている言葉ではないかと思わせる、ヒトラーの声、身振り、手振り。湧き上がる喚声と熱狂。ただの人が独裁者となりおおせた、ある時代のドイツの記録として、遺しておかなければならない映画。

|

« マフィア映画に学ぶこと | トップページ | ソンタグのファシズム論 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174032/23116717

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「意志の勝利」(DVD):

« マフィア映画に学ぶこと | トップページ | ソンタグのファシズム論 »