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2008年1月25日 (金)

「国力」の低下?

ドル換算のGDPで「国力」を計るのは妥当か。本日付日経新聞市況面コラム「大機小機」(バブルと国力の混同を憂う)からメモ。

日本の国力低下を嘆く議論が盛んだ。例えば一人当たり名目GDP(国内総生産)。日本は1995年前後にOECD加盟30ヵ国中3位だったのが、2006年に18位に後退した。

他方、順位を上げて国力を高めたといわれるのは北欧の小国と、米国(10位→7位)、英国(18位→11位)など英語圏の国である。

日本経済は、株価と地価と賃金に代表される価格破壊を徹底し、購買力平価を切り上げて内外価格差をほぼ解消した。加えて、円高ピークの95年当時のドル表示の購買力平価で約5割過大評価されていた円が、2割前後の過小評価になった結果の順位変動なのだ。80年代前半の日本の定位置は11-17位だった。

不況知らずの優等生と持ち上げられる英国の躍進は、北海油田の石油収入とシティーの金融力を背景にしたポンド高だった。
革新性を称賛された金融機関のビジネスモデルが揺らぐ米国と同様、英国も中堅銀行が国有化寸前に追い込まれ、ポンド安が始まっている。日本の土地本位制バブルに次いで、アングロサクソンが得手とする市場型金融バブルが弾けたのだ。

国力論は難しい。バブルの過去や他国との安易な比較に大した意味はなく、金メッキの他国をなぞる議論に説得力はない。財政・金融の経済政策を含め、社会の健全なバランスに配慮し、社会保障など持続可能な制度設計で国民生活を安定させることこそ大切だ。

・・・現実を正確に認識するのは難しい。しかし正確な現実認識が無ければ、正しい政策を立てることもできないのだ。

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