« 講座「決算書がスラスラわかる」 | トップページ | 松尾山に上る(2度目) »

2007年10月19日 (金)

ブラックマンデーの教訓

1987年10月19日に起きた「ブラックマンデー」(米国株の大暴落とそれに伴う世界連鎖株安)から20年。本日付日経新聞の関連記事から当事者の証言をメモ。

ジェラルド・コリガン氏(元ニューヨーク連銀総裁)
流動性の潤沢な供給というFRBの政策対応は正しかったと思っている。20年前の行動がその後の危機管理のモデルになったといってもいい。
FRBは当時、金融機関に公定歩合で資金を貸し出すのではなく、公開市場操作を通じて短期金融市場に資金を供給した。過去とは違う革新的な手法だ。公開市場操作は効率的で、いったん供給した資金を吸収しやすい。資金を取り入れるかどうかの判断を、金融機関の自主性に委ねることもできる。
米大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が破綻した1998年、米同時テロが発生した2001年、そして現在の金融不安に至るまで、どの中央銀行もおおむね同様の手法を踏襲してきた。

ナイジェル・ローソン氏(元英蔵相)
当時、主要国は株式市場そのものには介入せず、流動性供給で不安心理を抑える手段を選び、これはその後のグローバル市場における混乱対策のひな型となった。
「市場混乱時に流動性を供給するため安易に金融緩和すれば金融機関のモラルハザードを招き、結局は次の金融危機の種になる」という理論は正しい。だが、市場を決定付けるのは理論ではなく参加者の期待心理だ。恐怖心が支配した時、市場参加者は「群集心理」に走り、その安定を取り戻すには流動性供給以外に方策はない。一定周期で市場が振れるのはある意味防ぎようがない。

・・・ブラックマンデーという事件こそは、世界規模の金融市場の混乱に巻き込まれるという出来事を人々が初めて共有した、現在にまで至るグローバル経済の出発点だったとすれば、我々は繰り返しその経験を反芻しなければならないのだと思える。とはいえ当時の記録やデータだけで、市場参加者の「恐怖心」や「群集心理」を理解するのもなかなか難しいだろう。現在の金融市場の混乱に触れながらローソン氏が述べている、「結局のところ人は自らの経験からは学ぶが、先人の経験からは学べない」という言葉が警句のように響く。

|

« 講座「決算書がスラスラわかる」 | トップページ | 松尾山に上る(2度目) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174032/8507447

この記事へのトラックバック一覧です: ブラックマンデーの教訓:

« 講座「決算書がスラスラわかる」 | トップページ | 松尾山に上る(2度目) »